garamanのマジック研究室

最新コインマジック徹底解説!

世界的にも知名度の高いコインワーカー、緒川集人氏の名前が著者として名を連ねていますので、最新のコインマジックの解説書として期待された方も多かったと思います。個人的な感想としては、クラシックな作品を現代風にアレンジしたものが多いように見受けられます。監修を勤めた柳田氏の「推薦の言葉」によると、「古典的な作品を除き、すべてがオリジナルから発生したものである」と言い切っていますが、どれが古典的な作品でどれがオリジナルのマジックなのかは明示していません。(極端な話、21作品が古典的な作品かもしれません。。。)私個人としては、誰かのアイディアを元に改案したものについては、是非原案者を明示して欲しいと考えているのですが、この本で解説されている22作品については一つもそういった解説はありません。

原案者も判らないほどの古典的な作品と緒川氏の完全なオリジナル作品だからという理由なのかもしれませんが、私程度の知識で見ても原案者を明示できそうな作品がいくつもありました。どうも過去の作品、過去のマジシャンへの誠意が感じられません。全て自分で考え出したものであり、それが最新のコインマジックの世界の全貌だと言っているように聞こえてしまう書き方には聊か閉口してしまいます。

そういった背景(私はこちらを重視するのですが)を除けば、紹介されている作品自体は面白いものが多いです。コインマジックの解説本はその数が非常に少ないですから、貴重な一冊である事は疑いようもない事実です。解説スタイルとしては、前半が技法の解説で、後半がマジックの解説という二段構成になっています。また鮮明な写真を多用して解説しているので、イメージしやすい作りになっていると思います。

緒川 集人
林 敏明
荘神社

レビュー

なし