garamanのマジック研究室

ビヨンド・デセプション

マジックを演じるのはもちろんマジシャン本人ですが、テクニックを練習したり、ストーリーを多少変える程度のことしかできていない人も多いことでしょう。そもそも、専属の演出家や舞台装置のスペシャリストを雇うことは難しく、そんな役割をマジシャン本人が担うのも実際には大変なことです。そんなマジシャンの力になってくれるのが、この一冊です。サブタイトルに「マジック・アクト制作のための理論とエクササイズ」とあるように、理論を学ぶだけではなく、実際にエクササイズをこなすことで個性的なアクトを作ることを手助けしてくれます。

著者はトビアス・ベックウィズ。元俳優兼舞台マネージャーで、マルコ・テンペストやジェフ・マクブライドらとクリエイティブ・チームを組むなど、実践的な経験を積んでいる方です。また、大学やセミナーを通して俳優の育成を行うとともに、ユージン・バーガーらとともに、ラスベガスのマジック & ミステリースクールでマジシャンの育成も手掛けています。この本の中のどれも役に立たないということはあり得ません。演技のテンポや、場面設定、音楽、キャラクターの設定など全てをこなせている人でない限り、必ず得るものはあるはずです。

トビアス・ベックウィズ(著)
滝沢 敦(翻訳)
スクリプト・マヌーヴァ

レビュー

なし