garamanのマジック研究室

これがメンタリズムです 〜メンタリストになれる本〜

DaiGo 氏の考える「メンタリズム」というものが一生懸命語られている本です。著者自身が葛藤しながらメンタリズムというものを形成していった過程が良く分かります。著者の「自分の思いをわかって欲しい」という思いが前面に出ている印象を受けました。「マジックとメンタリズムの違い」という章がありましたが、そもそもマジックを見下したような定義がされており、それに対してメンタリズムがどう違うのかを主張するという論法なので、アマチュアマジシャンとして私はがっかりしました。著者のお決まりの台詞に「科学とロジックで超常現象を再現する、それがメンタリズムです。」というものがあります。ではマジックは科学にもロジックにも裏打ちされていないというのでしょうか?決してそんなことはありません。マジックの世界には色々な分野があり、そのうちの1つの分野にメンタル・マジックというものがあります。これがまさに科学とロジックで超常現象を起こす類のものです。

長い歴史を持つマジックに背を向けて、マジックとは違うものだと主張するメリットが良く分かりませんが、著者はその道を選んだようです。DaiGo 氏の登場には、日本におけるメンタルマジックの発展を期待していたため、このサイトでも取り上げてきたのですが、ご本人はマジックの一部として扱われる事に違和感を覚えていらっしゃるようです。

DaiGo
幻冬社

レビュー

なし