garamanのマジック研究室

V2

マノス・カルタキスによる、小さな世界に特化した異色の一冊。メンタル・マジックのなかの "Which Hand" と呼ばれる分野のみが扱われています。2人の観客が握った両手を前に差し出しているところを想像してください。その4つの拳のうちのひとつにコインが握られています。もちろん握る様子はマジシャンは見ていません。サクラもなし。特別な道具も準備もなし。この状況でどうやったら「どの拳に握られているか」を当てられるでしょうか?この本にはひとつふたつ質問すだけで当てる方法が書かれています。それどころか、一度も質問せずに当てる方法まで書かれているのです。緊張して間違えたりしない限り、当たる確率は100%です。

古くからあるパズル的原理を使用したものですが、それを彼は「V」名付けて使っています。そのテーマを掘り下げて「V」という本を発表したのですが、それからさらに発展させて2016年に「V2 Expanded Edition」を発表しました。それを日本語に訳し、さらに、原著にはない彼の類似のテーマの作品を2つ収録したのがこの「V2」です。この2手順を追加したことにより、2019年7月時点での彼の集大成的な一冊になっています。

Manos Kartsakis(著)
宗像 寿祥(翻訳)
スクリプト・マヌーヴァ

レビュー

なし