garamanのマジック研究室

カード師

かつて手品師を目指していた主人公。カードを扱う技術には自信があるものの、大勢の前で演じることに難があることに気づく。辿り着いたのが占い師としての生活。テクニックを活用してタロットカードをコントロールし、相手に必要なアドバイスを施していく、いかさま占い師というスタイル。カードをめくるまで何が起きるかはわからない。それは占いだけでなく、先の見えない人生そのものを的確に表しているのかもしれない。先が見えないまま、次々と迫ってくる不可思議な事態。いつしか違法カジノのディーラーとなっていた主人公は、さらなるコントロール不能な事態に巻き込まれていく。全財産をかけた違法カジノに強制的に参加させられた曰く付きの人物たちの一人として、主人公もそのテーブルにプレーヤーとして座ることになる。

カードをめくるまで結果はわからない。「絶望するにはまだ早い」。

朝日新聞に2019年10月1日から2020年7月31日に連載されていた連載に加筆した一冊です。

中村 文紀
朝日新聞出版

レビュー

なし