garamanのマジック研究室

ロン・ウィルソン プロフェッショナル・マジック

1987年発行「The Uncanny Scott : Ron Wilson」の、角矢幸繁氏による和訳本です。”奇妙なスコットランド人”との愛称で親しまれ、アマチュアにもプロにも、そして多くの観客達の誰にも慕われた名匠、ロン・ウィルソン。プロのパフォーマーとしては、クロースアップからステージまで幅広くこなし、多くの受賞歴を持つオールラウンド・プレーヤーでした。また、テレビや映画においても、テクニカル・アドバイザーとしてその才能を発揮しました。現役引退後もタレント事務所を経営し、パーティー等にマジシャンを派遣する業務をこなすなど、マジックに関わるあらゆる才能を発揮した稀有な方です。彼の作品に共通して感じる印象は、ゆったりとした雰囲気。マジシャンのペースで捲くし立てるような事はなく、観客が無理なく現象を追えるような丁度良いペースが守られています。

作品は全体で30程、340点の豊富なイラストや写真が活用された分かりやすい内容です。角矢氏が直接ロン・ウィルソンと連絡をとりながら翻訳作業を行なっていたからか、単なる直訳ではなく、はじめから日本語で刊行されたかのような自然な文章になっています。素材としてはカード、シルク、カップ、ボトル、リング(指輪)、財布、ロープなど、様々な分野が取り上げられています。規模はクロースアップからサロンマジックまでといったところでしょうか。いくつかステージでも通用しそうなものも含まれています。メンタル・マジックも5点ほど含まれています。

Richard Kaufman
角矢 幸繁(訳)
東京堂出版

レビュー

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