garamanのマジック研究室

澤浩のロープマジック

マジシャンの多くのアイディアは、カードとコインに注ぎ込まれているように感じますが、ロープマジックも長い歴史の中で様々な現象を生み出してきました。もしかすると、「目新しい現象」を考えるのは、ロープマジックが一番難しいのではないでしょうか。特にストーリーを感じさせるロープマジックというと、その数はかなり少なくなります。そんななか、今回新たに発行された「澤浩のロープマジック」。タイトルだけでも惹きつける魅力があります。豊富な写真やイラストで23作品が詳細に解説されています。写真は澤浩氏本人の演技を撮影したもので、実際に澤氏が演じている姿を見ながら学べる良い教材です。23作品の解説の前にも50ページほどのボリュームがあり、そこには、澤氏独特のロープの端の処理方法や基本技法の解説のみならず、ハサミについての解説まである、至れり尽くせりの内容です。

オススメは「オキ」。1本のロープを二つ折りにし、端を揃えて片手に持ったところから始まります。いざマジックを始めようと思ったら、なぜかロープの端が3本ある。ん!?と思っていると、端が4つになり、5つになり、あっという間に6つになる。1本のロープに端が6つという奇妙な状況です。端が多いのではなく、実はロープの本体の方が2本足りない。と言わんばかりにどこからかあと2本のロープが現れ、今や3本のロープに6つの端という正常な状態に。そうか、ただの3本のロープだったのか、と思ったところを畳み掛けるように、2本の長いロープに変化する。最後には全て繋がり一本のロープに変化する。ところが、まだ終わらず、さらに驚きの現象が。。。

澤さんのアイディア、オリジナリティー、脱帽です。

宮中 桂煥
東京堂出版

レビュー

なし