garamanのマジック研究室

マジカル・プレゼンテーション 日本語字幕版

[EXPLORING MAGICAL PRESENTATION] の日本語字幕版です。

そのトリックはマジカルですか?手順だけを淡々と演じた結果、スタンツになっていませんか?ひとつの手順を実演するにあたって、どのような演出で表現するかによって、受け手の印象は大きく変わります。「できるようになったからやる」というだけではスタンツになりがちです。ネット上に転がっている首から下や手元しか撮影していない動画のほとんどはスタンツだと言っても過言ではないでしょう。マジックとして成立させるには、明確なテーマが必要です。「すごいテクニックを駆使して面白い現象を起こした」と思われたいのならスタンツとして演じるのは妥当ですが、もし「マジシャンが予言した通りの事が起こった」と思われたいのなら、予言者然とした雰囲気作りが必要です。このように、手順は一緒でも細かなハンドリングや言葉の選び方には違いが出てくるのです。そういった演出による差を理解するために、ひとつの手順がいろいろな演出で演じられている様子を比較してみる事ができれば、とても参考になります。このDVDは、まさにそのためにあります。

[Black Envelope Variation] では、「観客がテーブルにカードを一枚ずつ重ねて置いていき好きなタイミングで止めると、そのカードが、あらかじめテーブルに置いてあった黒い封筒の中に入っているカードと一致する」という予言トリックを8つの演出方法で演じ分け、それぞれの効果を分析します。それぞれの優劣をつけるわけではなく、自分のキャラクターにあうかどうかも含めて、ベストな選択をしようという事です。結果は人によって違ってきます。最終的にベストな選択としてスタンツを選択する可能性もあります。そんな事をしっかりと考えさせてくれる解説です。

他にも「ゆうきとも氏のフェイディング・コイン」や「アウト・オブ・ディス・ワールド」など4つの作品の解説もあります。全部で72分しかありませんが内容の濃い一本です。

Eugene Burger
L & L Publishing
スクリプト・マヌーヴァ

レビュー

なし