garamanのマジック研究室

MALONE meets MARLO 4

2009年に刊行された MALONE meets MARLO シリーズ全6巻のうちの第4巻です。

第4巻では、12作品が実演・解説されています。

ひとつ目の「Leipzig Would Have Loved This!」は、おそらく観客の記憶に残る作品になるでしょう。赤裏の13枚のカードと、青裏の13枚のカードがあり、それぞれAからKまで順番に並んでいます。そのうち青裏のパケットを観客にわたして、自由に順番を入れ替えてもらいます。マジシャンは赤裏のパケットを持ち、観客は自分で順番を変えた青裏のパケットを持ちます。マジシャンが持っている赤裏のパケットはAからKまで順番に並んだままです。しかし、マジシャンが指を鳴らすと、青裏のパケットは赤裏のパケットと同じ順番に並びが変わってしまいます。2人で同時に自分のパケットから一枚ずつディールしていくと、確かに同じ並びになっているのがわかります。

細心の注意を払う観客なら、トリックにたどり着くおかしなポイントに気がつくかもしれません。しかも、そんなポイントが4箇所もあります。しかし、どれもストーリー展開や話術次第で注意をそらせることができるレベルのものです。そのため、この作品を素晴らしいと評する人もいれば、未完成だとみなす人もいるようです。冷静に考えれば矛盾している点が含まれている作品というのは他にも多々あります。そんな作品を敬遠している人は、むしろこの作品を思い切って実演してみると良いかもしれません。自信がつくこと請け合いです。

また、この巻では[Triumph] や [Follow the Leader] などのダイ・バーノンの名作に対して、エド・マーロー流の解決案がビル・マローンによって実演・解説されているのも見逃せません。

Bill Malone
L & L Publishing

レビュー

なし