garamanのマジック研究室

マインド・ミステリーズ・トゥー 第7巻 日本語字幕版

[MIND MYSTERIES TOO 7] の日本語字幕版です。

リチャード・オスタリンドのマインド・ミステリーズの続編シリーズです。旧シリーズからの通算で第7巻目にあたります。4つのセットに分け、12作品が収録されています。

1つ目のセットには1作品しか収録されていませんが、それだけこの作品が強烈だということです。他の作品を前後に持ってくることができないほどのインパクトがあるのです。まず、大勢の観客に紙片を渡し、将来に関する質問を書いてもらいます。この紙片は半分には番号が書かれていて、もう半分には質問を書く欄があります。書き終わったら、質問を書いた側の半分だけを破り取り、各自で折りたたんでもらい、一度袋に入れて回収します。回収した無数の紙片はテーブルにバサッと山積みにしておきます。透明な袋なので、この時点で袋が空になったことはハッキリと見えます。各自が破りとった残りの半分には、他の人と重ならない番号が書かれていますが、この紙片も各自折りたたんでもらったら、袋に入れて回収します。この状態でマジシャンは袋から紙片を1枚取り出し、番号を読み上げます。言われた観客はその場に立ち上がりますが、その人が書いた質問は、誰にも知りようがありません。テーブル上に山積みにされた中の1枚ではありますが、リチャード・オスタリンドはそちらには目も向けません。 観客の心を直接読むような素振りを見せたかと思うと、おもむろに質問の答えを口にします。古くからあるメンタリズムではありますが、そのトリック部分のアイディアは非常にスマートです。

2つ目のセットには4つの作品が収録されています。どれもカード当てですが、それぞれに個性があり、すべてにおいて不可能性が高いため、続けて演じることができるという珍しい構成になっています。 3つ目のセットには3つの作品が収録されています。中でも「ESPスタック」という作品では、ESPカードの実験としての使い方を模倣した作品になっています。意外と本来の使い方を知られていないので、面白い趣向だと思います。最後の4つ目のセットには4つの作品が収録されていますが、中でも「ペン・パドル・ムーブ」は必見です。名前からわかる通り、パドル・ムーブを使った作品です。アマチュアマジシャンなら誰でも知っているであろうクラシックな技法ですが、この完成度で演じられる人がどれだけいるでしょうか?確かに種は見えないものの怪しさ満点の残念な技法だと思っている人はいないでしょうか?こう思っている人は、大抵動きが早すぎます。ゆっくりと演じても、いや、ゆっくり演じるからこそ、圧倒的な説得力が生まれるということを証明してくれるような作品です。

Richard Osterlind
L & L Publishing
スクリプト・マヌーヴァ

レビュー

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