garamanのマジック研究室

奇術師フーディーニ 〜妖しき幻想〜
DEATH DEFYING ACTS

脱出王として名を馳せた奇術師フーディーニ。マジックの世界において多くの伝説を残した彼をもってしても、どうしても叶えられない願望があった。それは、亡き母の言葉を聞くこと。母への想いを募らせていく彼は、一万ドルの賞金をかけて本物の霊媒師を募りはじめる。しかし、皮肉にも彼のトリックへの造詣の深さが、霊媒師たちのいかさまを次々と見抜いてしまう。自分に見破れないトリックなど無いという自負と、本物の霊媒師の力を借りて母との交信を願う気持ちに挟まれ、彼の苦悩は続く。そんなとき、若き日の母の面影を持つ霊媒師・メアリーが現れた。ところが、メアリーもまた、娘と2人で日銭を稼いでいるいかさま霊媒師に過ぎなかった。

賞金目当てにフーディーニに近づいたメアリーは、マネージャーに邪魔されながらも巧みにフーディーニに近づき、彼の母親の情報を手に入れるべく周辺を探っていく。そんな時間を過ごすうち、フーディーニに対して恋心が芽生えてしまったメアリーの心は、彼への想いと賞金の間で揺れ動く。フーディーニもまたメアリーに恋心を抱くものの、もっとも大事なのは、母との交信ができるかどうか。ついに、霊媒師としてのメアリーの実力を確かめるための公開実験が行われた。封印されて金庫に厳重に保管された母親からの最後のメッセージ。フーディーニしか知らないそのフレーズを、メアリーは言い当てる事ができるのか。衆人環視の中、いよいよ実験がはじまる。。。

フーディーニ役はガイ・ピアース、メアリー役はキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、マネージャー役はティモシー・スポーク、そして後半に重要な役割を果たすメアリーの娘役は、シアーシャ・ローナン。錚々たる顔ぶれにも関わらず、残念ながら日本では劇場公開されなかったようです。

これは、おそらくフーディーニのことを知らない人が見ると中途半端な作品に見えるからではないかと思います。例えば、霊媒師を募りそのオーディションを行うシーンは、随分とコミカルに描かれており、本気度はまったく伝わってきません。フーディーニの母への想いが強いあまり、本気で霊媒師を探しているという肝心な部分が表現されていないのです。しかし、アメリカでは一般の人でもフーディーニの事を知らない人はいないと言われるくらいの存在です。実在する有名な人物ですから、人物造詣の描写はそもそも少ないのです。何も知らない人が見れば、フーディーニの心の動きが理解できなくても不思議はありません。フーディーニのことを良く知っている国の人たちと、世界中のアマチュアマジシャンにとっては、楽しめる作品です。

Guy Pearce
Catherine Zeta-Jones
Timothy Spall
Saoirse Ronan

レビュー

なし