garamanのマジック研究室

晴天の霹靂

2014年に公開された、劇団ひとりさんの初監督作品。原作が2010年に公開されてからすぐに映画化の動きが始まり、主人公の晴夫役が決まったが2012年末。どういう経緯で自身の作品を映画化するに至ったのか、また、役者選びや撮影に対してどういうこだわりがあったのか、そういったところにも面白い話はたくさんあるのですが、それは公式サイト等に譲るとして、やっぱりマジックシーンの解説をしておきましょう。バー・マジシャンの晴夫(大泉洋)がカウンター越しに見せるマジックには感心しました。映画などでは、よく手元だけを別なマジシャンが吹き替えたりするものですが、この映画では晴夫のマジックシーンを全て大泉洋さんが実際に演じています。撮影では24回もテイクを重ねてようやく監督のOKが出たそうですが、大泉さんはそれに満足せず、さらに上を行く出来栄えを目指して、最終的には86テイクまで続いたのだとか。ロベール・ウーダンの「マジシャンとは魔法使いの役を演じる役者である」という言葉を、演技で実践して見せたその姿に、アマチュア・マジシャンも心を打たれることでしょう。役者さんに吹き替えなしでマジックを演じてもらうことにこだわりを見せた監督と、それを本当にこなしてしまう役者さんがいたからこそ、魔耶一星さんも指導や監修を快諾されたのでしょう。

失礼ながら、映画としてはあまり期待せずに見たのですが、良い意味で予想を裏切られました。マジック・シーンがなくても何度も観たくなる一本です。

Blu-ray 版もあります。

豪華版は Blu-ray 二枚組です。本編ディスクには、予告やTVスポット集など、よくある特典映像が付いています。もう一枚の特典ディクの方が魅力があるかもしれません。上映前にはよく TV に取り上げられていましたが、大泉洋と劇団ひとりの掛け合いはまるで生の漫才のようで、映画の内容そっちのけで笑いをとっていました。そんな二人の掛け合いが存分に楽しめる特典映像が満載です。

大泉 洋
柴咲コウ
劇団ひとり
(東宝)

レビュー

なし