garamanのマジック研究室

Cardiographic

まずはあなたが1枚のカードを選びます。ハートの3だったとしましょう。マジシャンはそのカードを見ることなく当ててしまいます。

と言うと単なるカード当てのようですが、その当て方に特徴があります。マジシャンは一冊のスケッチブックを取り出し、そこにあなたが選んだカードの絵を書き出します。あなたの頭の中のイメージを読み取るようにしながら描かれた絵には、1枚のカードが。そのカードこそがあなたの選んだハートの3。ではなく、なぜかスペードのA。。。

だれもが「失敗か?」と思う状況ですが、ここからがマジシャンの腕の見せどころ。絵に少し線を加えて立体的な絵にします。先ほどのスペードのAが一番手前で、その後ろに51枚のカードが重なっているような1組のデックの絵です。次の瞬間1組のデックの【絵】から1枚のカードがせり上がってきます。徐々にせり上がってくるカードは紛れもなく、あなたが選んだハートの3です。

さらに、最後にはその「1組のデックからハートの3が飛び出した絵」をあなたにプレゼントしてくれます。そこには、もう決して動く事のない1枚の絵があるだけです。


Cardiographic

メイキング・マジック 第1巻 日本語字幕版
Chapter6

「カーディオグラフィック」は、マーチン・ルイスのオリジナル・マジックです。後にデビッド・カッパーフィールドが演じて話題になり、今でも多くのマジシャンが演じています。この DVD では、実演と道具の作り方や演じ方に至るまで、全て本人がレクチャーしてくれます。マジックショップ等で道具は販売されていますが、「スケッチブック一冊で何でこんな値段?」と言いたくなる様な価格だったりします。ただ、私の経験上、全て手作りしても結構大変で、結局同じくらいの金額がかかってしまう場合もあります。個人的には、自分に合わせてカスタマイズしたり独自のアイディアを付け加えたりする意味で、手作りすることをお薦めします。(2006.12.09)

今日は君の誕生日
〜 They Say It's Your Birthday 〜

ハンサム・ジャック:エトセトラ
p.33

ジョン・ロヴィックの改案です。すでに完成した作品ではありますが、ハンサム・ジャックというキャラクターに合わせてカスタマイズした結果、全く趣の違う作品に仕上がっています(結果的にカードを使わない手順になっています)。原案自体は製品として販売されていますので、その仕組みについて解説するのは問題があります。そこで、この本では該当部分が黒塗りになっています。半分ジョークのような解説ですが、原理自体は原案と同じで、その演出に特徴がある作品ですので、理解に問題はありません(原案を知らないと、そのジョークも受け入れられないかもしれませんが)。

7ページのうち2ページは黒塗りですが、残りの5ページでは演出についてたっぷりと解説されています。ハンサム・ジャックには、ぴったりの作品です。自分にあった Cardiographic を作るなら、自分のキャラクターをハッキリとさせることが大切です。(2019.05.04)