Progressive Aces
[Slow Motion Four Aces のように、4つのパケットにそれぞれ1枚ずつAが含まれている状態から始まります。ひとつ目のパケットからAが消えますが、消えたAがふたつ目のパケットから現れのが特徴です。そして、ふたつ目のパケットから2枚のAが消えて3つ目のパケットから現れ、最終的には全てのAが4つ目のパケットに集まります。1箇所に次々と集まるのではなく、徐々にパケットを移動していく現象です。
Four Ace Assembly から派生されたジャンルのひとつで、マジシャンにとってはチャレンジングなテーマです。
プログレッシブ・エーセス
カードマジック大事典
p.416
ケン・クレンツェルの作品です。ギミックカードは一切使わず、手順の工夫だけで実現しています。
現象は冒頭の説明の通りで、Aが隣のパケットに移っていく現象が繰り返されます。不可能性の高い現象でインパクトはあるのですが、残念ながら説明不能な動作が多く、あまりスマートとは言えない手順になっています。不思議ではあるものの「マジシャンが何かやったらおかしな現象が起きた」というパズルのような印象を受けました。あの余計な動きのところにタネがあるんだろうと予測されてしまいますし、まさにそこにトリックがありますのでその動作への説明付けが重要です。(本人の演技ではそういう台詞回しがあったのかもしれませんが、手順解説にはありませんでした)
チャレンジングな作品であり、多くのマジシャンに刺激を与えたのだと思います。(2026.05.24)
復帰
〜 Diminishing Returns 〜
パケット・トリック
p.416
マックス・メイビンの改案です。特殊なカードは使いませんが、Aの代わりにジョーカーを4枚使います。
パケット・トリックというタイトルの本に相応しく、エルムズレイ・カウントとチャールズ・カウントを駆使して行う作品です。赤い数字のカード3枚とジョーカー1枚という4枚の組み合わせでひとつのパケットを構成します。残りの3つのパケットも同じ構成です。ここまではクリーンで枚数のごまかしもなく、ギミックカードも使いません。残りのデックは一切使わないのもクリーンな印象に一役買っています。ひとつ目のパケットからジョーカーを消したらテーブルに戻します。ふたつ目のパケットを取り上げ、2枚のジョーカーがあることを確認しますが、すぐにその2枚も消えて4枚の赤い数字のカードになっています。それもテーブルに戻して、みっつ目のパケットを取り上げます。こちらには3枚のジョーカーが存在することを確認しますが、またすぐに消えてしまい4枚とも赤い数字カードに変わります。最後のパケットを取り上げると4枚ともジョーカーになっています。さらに、テーブルに並べた4つのパケットを全て裏返すと、全てのパケットのボトムにジョーカーが戻っています。
カウントの練習にもちょうど良い習作であり、秀作です。(2026.05.30)