garamanのマジック研究室

Ten Card Poker Deal

たった10枚のカードで起こす奇跡。

観客によく混ぜてもらった10枚のカードを使って、2人分のポーカーハンドを作ります。観客の5枚とマジシャンの5枚をくらべてみると、いつもマジシャンのハンドが勝ちます。 単にマジシャンがカードコントロールを駆使して自分に有利なカードを配っているわけではありません。なぜなら、カードを混ぜるのも配るのも、いつも観客なのです!

テン・カード・ポーカー・ディール

カードマジック大事典
p.299

原案として知られる手順だと思われます。デックから10枚のカードを抜き出し、観客に渡してシャッフルしてもらいます。第一段では、観客とマジシャンに交互に1枚ずつ配ってもらうというシンプルな方法です。なぜかマジシャンが勝ちます。もう一度10枚をシャッフルしてもらい第2段に入ります。今度は、2枚ずつテーブルに出し、その都度どちらを観客に配ってどちらをマジシャンに配るかを決めてもらいます。それでも、なぜかマジシャンが勝ちます。最後に第3段です。スタッド・ポーカーの要領で1枚ずつ裏向きに配ります。その1枚はお互いに最後まで見ません。残りのカードを配っていきますが、今度は2枚ずつ表向きにテーブルに出し、その都度観客に好きな方の一枚を取ってもらいます。観客にとってかなり有利な条件ですが、それでもマジシャンが勝ってしまいます。(2018.01.21)

サイ・アウト

ブルース・バーンスタイン メンタルマジック UNREAL
p.140

ブルース・バーンスタインの代表作のひとつ。単品でも販売されているようです。この作品は、スチュアート・ジュダの悪魔的な発想を元にしています。原案では、繰り返すことによってトリックの重要部分が推察される危険がありますが、スチュアート・ジュダのアイディアを使えばその問題は払拭できます。逆に、繰り返すほど不思議さが増すという強力な作品を生み出すことに成功しています。

現象は全部で4段階。まず、シャッフルしたパケットをマジシャンが持ったところから手順が始まります。テーブルに2枚を裏向きに出したら、1枚ずつ観客とマジシャンに分けます。これは最後まで見ないホールカードです。続いて2枚のカードを表向きにテーブルに置いたら、観客に欲しい方の1枚を選んでもらいます。残った1枚は自動的にマジシャンの手札になります。これを繰り返して5枚ずつの手札ができたら、最初のホールカードも表向きにしてどちらが勝っているかを確認します。もちろん、マジシャンの勝ちです。

カードを集めて第2段に移行します。第2段はさらに観客に有利に展開します。10枚のカードを裏向きのまま5枚ずつの山に分けます。両方の山から1枚ずつトップカードを表向きにして、観客とマジシャンのホールカードとします。ここで、観客のホールカードが気に入らなければ、他のカードと交換しても良いという条件をつけます。その後は、残った4枚ずつの山からどちらか好きな方を選んでトップカードを選んでもらい、反対側の山のトップカードをマジシャンが取る、という手順を繰り返します。つまり、全てのカードにおいて、観客には選択の自由があるわけです。しかし、やっぱりマジシャンが勝ちます。

続けて第3段に移行します。1枚ずつのホールカードを配ったら、残りの8枚を全て表向きにスプレッドして、好きな4枚を選んでもらいます。今度は見える状態での自由選択です。しかも、1枚目のホールカードさえ、気に入らなければ交換しても良いという条件付きです。残ったカードがマジシャンの手札になりますが、それでもマジシャンが勝ちます。

最後に第4段です。見て選んでも勝てないので半ばヤケクソですが、観客がシャッフルしては1枚選び、シャッフルしては1枚選ぶ、と繰り返して5枚の手札を選びます。残った5枚をマジシャンの手札にします。マジシャンは全く触っていませんが、そんな状況でも当然のようにマジシャンが勝ちます。(2018.01.28)

テン・カード・ディール

遊びの冒険 全5巻
「3 ギャンブルのトリック」p.127

松田道弘氏による改案で、3段構成になっています。まず1組の中から10枚のカードを抜き出し、よくシャッフルします。テーブルに2枚のカードを裏向きに並べて、観客には好きな方を選んでもらいます。2枚出しては好きな方を選んでもらうという作業を5回繰り返すことにより、マジシャンと観客に5枚ずつのカードを振り分けます。お互いのハンドを確認すると、なぜかマジシャンが勝っています。

つづいて第2段です。10枚のカードを一度集めて、観客にシャッフルしてもらいます。そのまま1枚ずつ交互に配り、お互いに5枚ずつのハンドを手にしますが、確認するとやはりマジシャンが勝っています。

最後に第3段です。もう一度10枚のカードを集めてよくシャッフルします。マジシャンがカードを配りはじめますが、途中で残りのカードを観客に渡してしまいます。観客は表向きにテーブルに出したカードを、欲しいと思えば自分に、要らないと思えばマジシャン側に押しやることができます。最終的に5枚ずつのカードを配りますが、それでもマジシャンが勝ってしまいます。

4ページ半にわたって歴史的な背景や基本的な原理が説明されており、わかりやすいお手本的解説です。手順についても4ページ程のボリュームでわかりやすくまとめられています。また、各段でちょっとした工夫が盛り込まれており、ケースバイケースで多少手順が変わってくることになりますが、臨機応変に使いこなす楽しさがあります。(2018.02.17)

エイティーン・カード・ポーカー・ディール

遊びの冒険 全5巻
「3 ギャンブルのトリック」p.135

スチュアート・ジュダのアイディアの要点だけですが、松田道弘氏によって解説されています。18枚のカードを使うことで、トリックの重要な部分を巧妙に隠しています。しかし、観客から見ると不自然な枚数になってしまうのも事実です。2人分のポーカー・ハンドを作るなら10枚で良いわけですから。このアイディアを活用するには、18枚使う理由、もしくは10枚ではないことの理由付けが必要になります。この理由がうまくつけられれば、自然で不思議なギャンブリング・デモンストレーションが、繰り返し行えます。

テン・カード・ポーカー・ディールの改案の中には、このスチュアート・ジュダのアイディアに影響を受けているものが、相当数あります。(2018.02.25)