garamanのマジック研究室

Twenty One Card Trick

21枚のカードの中から、あなたは1枚のカードを記憶します。そのカードの名前は誰にも告げずただ記憶するのです。マジシャンは21枚のカードを3つの山に分けて、1山ずつあなたに見せます。あなたは、その山の中に自分が記憶したカードが含まれているかどうかだけを答えます。マジシャンは何度か「この山には含まれていますか?」と質問をしますが、それに対する YES / NO の答えだけを頼りに、あなたが記憶したカードを見つけ出します。

一般の方でも知っている可能性が高いですが、それほど有名になったセルフワーキング・トリックです。

トゥエンティ・ワン・カード・トリック

遊びの冒険 全5巻
「4 ミラクル・トランプ・マジック p.22

松田道弘氏が、子供の頃に級友に見せてもらった経緯を交えて解説されています。当時級友が演じたのは9枚バージョンだったそうですが、3で割れる枚数なら同じ原理が活用できます。また、この作品は「誰でも知っている」と言っても過言ではないほど有名で、数多くのバリエーションが存在します。前半の記憶されたカードを絞り込む作業と、後半の当てる作業のどちらも改案を出したくなる要素があり、多くのマジシャンを刺激したようです。前半部分はセルフワーキングの原理が含まれる部分ですが、この部分を文章だけで解説しています。それでも誰でも充分に理解できる内容です。後半の当て方について松田氏は、級友に見せられた方法がとても不思議に思えたそうで、その部分は3枚のイラストを添えて解説されています。(2017.06.18)

21 CARD TRICK

MALONE meets MARLO 6
演技 : Title1/Chapter6
解説 : Title1/Chapter7

21カードトリックのタネを知っている人が、より驚く作品です。3つに分けたパケットからひとつのパケットを選んでもらい、その7枚のカードのうちの1枚が観客が覚えたカードです。原案では、この状態から1枚のカードに絞り込んでいくための手続きが特徴的で、冗長的な作業を3度繰り返すことでセルフワーキング的に解決します。つまりタネを知っている人が見ると、「あの手続き」を3回繰り返すんだな、と思って見ているわけです。これを、マーローの作品では見事に打ち破ります。「あの手続き」をたった1回実行しただけで、即座に観客のカードを当ててしまいます。原案の1/3のスピードで当ててしまうので、原案と同じ時間で3回当てることができます。

実際、DVD の演技でも3人の観客を相手にして連続で3回現象を起こします。ところが、単に同じ作品を3回繰り返しているのではないのです。すこしずつ違う原理を利用して、3回の現象を起こします。原案の1/3のスピードで解決する作品を3つ作ったと言っても過言ではありません。(2017.08.27)


The Ultimate 21-Card Trick

ボリス・ワイルド Transparency
p.99

ボリス・ワイルドの改案です。ボリス・ワイルドのオリジナル・トリック・デックを使うことにより、あり得ない現象に昇華しています。原案では数理的なトリックに頼る分、手順が冗長になります。3つの山に分けては、どの山に観客のカードが含まれているかを聞くという手順が、3回も繰り返されます。数理的にどのカードが選ばれたのかを知るためには、どうしても必要な手順ではありますが、これはマジシャンにとっての都合でしかなく、観客にとっては無意味な問いかけに感じる上に退屈する時間が長いということになります。トリック・デックを使うことで、この時間はほぼゼロにまで短縮できます。その好例とも言える作品です。

この改案では、観客が52枚のデックから7枚ずつの山が3つできるように配り分けます。残ったデックは横に置いておいて、テーブルに配った3つの山を使ってマジックが始まります。観客は好きな一山を選び、シャッフルしてボトムカードを見て覚えたら、そのままシャッフルしてしまいます。テーブルに残った2つの山の好きな方に、自分がシャッフルしたパケットを乗せ、残りの一山をさらに上に乗せます。ここまでの手順でマジシャンは一度もカードに触っていません。しかし、21枚のカードのうちの中央の7枚のどこかに観客が覚えたカードはあります。21 Card Trick を知っている人なら、ここから「あの手順」が繰り返されるものと思っていることでしょう。しかし、マジシャンはその予測を裏切り、横に置いた残りのデックもその上に重ねてシャッフルするように指示します。これで、マジシャンは一度もカードに触れることもなく、52枚のどこに観客のカードがあるのかは誰にも(観客自身にも)わからない状態です。ここから観客のカードを探し出すという手順になっています。

原案の 21 card trick の要素をほぼ持っておらず、この原理なら 21 枚のカードである必要もなく、3つに分ける必要もないので、無関係な別作品と捉えるべきものだと思います。ただ、観客から見た印象は、21 card trick のバリエーションに見えなくもないので、このページに分類しました。(2018.03.18)