garamanのマジック研究室

Miser's Dream

タイトルは「欲張りの夢」という意味です。マジシャンが空中に手を伸ばすと、何も無いところからコインが現れます。その後も、いたる所から次々とコインを取り出します。

ステージでもパーラーでも実演可能で、即興的に様々なバリエーションで演じることのできるマジックです。


THE MISER'S DREAM
〜 欲ばりの夢 〜

ターベルコース・イン・マジック 第2巻
p.97

ネルソン・ダウンズがよく演じていたと言われるマイザーズ・ドリームについて、基本的な原理を解説してあります。「マイザーズ・ドリームの解説が抜けたとしたら、ターベルコースは不完全なものになる」と前置きされています。

基本的と言いながらも、かなり詳細に 9 ページにわたって解説されていますし、解説の中に様々なバリエーションやアイディアが出てきますので、自分なりの演出を考えるための良い材料になるでしょう。マイザーズ・ドリームがここまでクラシックになったのはバリエーションが考えやすく、マジシャンの個性が出やすい事が大きな要因でしょう。また、観客との間でコミュニケーションをとりながら、即興的に演じることができるのが大きな魅力です。(2004.12.12)

マイザーズ・ドリーム (The Miser's Dream)

コインマジック事典
p.156

1枚のコインを取り出す手順を細かく解説してありますが、その後は読者の工夫次第といった感じで解説が終了します。1枚のコインの扱い方としては、ターベルコースよりも詳細です。2枚目以降のコインをどのように取り出すか、その演出は自分で考えて個性的な手順を作れるところがこのマジックの魅力と考えれば、2枚目以降の取り出し方は解説しないというのも納得できます。

ただ、このマジックを見たことが無くて初めて解説を読んでしまった人には、かなり酷な書き方ではありますが。。。(2004.12.12)

ミリオンダラー

マジック大百科
p.102

あまりお勧めはしませんが、トリックの一部分を知ることができます。この本では殆どのトリックが見開きの2ページ内で説明しきってしまうので、マイザーズ・ドリームのように様々な工夫が可能なマジックはかなり省略して要約のみを解説されてしまいます。ちなみに、トリックの解説部分は92文字しかありませんでした。。。

この本を元に興味を持った人は、実演前に他の参考文献にも目を通してから、しっかりした手順を身につけることをお勧めします。(2004.12.12)

THE MISER'S DREAM

SELF-WORKING COIN MAGIC
p.127

カール・ファルブスによって、古典的な技法を使った簡単な方法が解説されています。SELF-WORKING シリーズですので、使う技法はシンプルです。

この本によると、ロベール・ウーダンの時代には「アリエルの財宝」と呼ばれる作品が既に存在していたそうです。ネルソン・ダウンズの代名詞という印象がありますが、空中から無限とも思えるコインを取り出すというコンセプト自体は、もっと遡ることができるようです。

この本で解説されている方法では、紙袋と3枚のコインしか使いません。シンプルな技法と簡単なパントマイムを組み合わせるだけで、次々と5枚のコインを取り出したように見える作品です。金属製のペールではないものの、紙袋ならではの音を効果的に利用しています。多少の準備は必要ですが、観客には空の紙袋がひとつあるだけに見える状態から始まりますので、即席に演じたような印象を与えることも可能です。(2020.05.31)