garamanのマジック研究室

心を上手に透視する方法

原題は「Ich weiss was Du denkst」。著者は「マインド・リーディング」をショーとして演じているドイツのエンターテイナーです。2005年にドイツで放映された番組をきっかけにブレイクし、その後テレビやラジオ番組にも多数出演しています。また、マインド・リーディングのテクニックを見せるだけではなく、講演やセミナーなどを通して、その知識を観客と共有しようとする面白い人です。世の中には実際に読心術の類を演じている人が大勢います。ただしそのテクニックはあまり公開されません。逆に、研究家や評論家と称して活動している人は、その知識を何冊もの本で発表していたりする割りに、空気の読めない人だったりします(苦笑)。「自分で実践している技術を公開」している人はさほど多くはないのです。世界10ヶ国以上で翻訳されているのも頷けます。

と、ココまでなら私のサイトで紹介する本ではありません。紹介した理由はひとつ。著者とマジックに強い結びつきがあるからです。著者は子供の頃にマジックに魅せられ、その後、周辺知識として催眠術や身体言語・オカルティズムへと興味を移していくのです。マジックはあくまでも興味の一端ですから「超能力風な演出をしているマジシャン」ではありません。言葉によって相手の意識を誘導し、結果を思いのままに操るのはマジシャンもよく使うテクニックですが、それにプラスして、観客の宗教観念や生理的な反応を最大限に利用し、実際に心の動きを読むための努力を惜しまないのです。そしてその努力の結晶を本にまとめたのがこの1冊です。

文庫版も出ています。

Thorsten Havener
福原 美穂子(訳)
サンマーク出版

レビュー

なし