マジック・イン・ムーンライト
Magic In The Moonlight
1920年代、ちょうど、国際心霊研究学会などが立ち上がったり、アーサー・コナン・ドイルが心霊世界に傾倒していた頃。初期のスピリチュアリズム全盛期のお話。コリン・ファース演じるスタンリーは、ウェイ・リン・スーという芸名で中国人マジシャンに扮して名をあげた天才マジシャンで、頭の固い皮肉屋のイギリス人男性。ある時、ショーの後の彼の楽屋に、旧友のハワードがやってきて、ソフィという名のアメリカ人女性の事を耳打ちする。エマ・ストーン演じるソフィは霊能者で、トリックにはある程度精通しているサイモンでも、全くそのトリックが見破れないのだという。そして、コートダジュールの大富豪・カトリッジ家が、母子共々ソフィに入れあげてしまい、いまや経営面のことまでソフィのアドバイスなしには決められないような有様だという。合理的な考え方しか受け入れないスタンリーにとっては、認めるわけにはいかない存在である。彼女の能力が本物なのかを確かめるべく、いや、ペテンである事を確かめるべく、スタンリーはコートダジュールへと向かった。しかし、今まで非合理的な考え方を全て排除してきたスタンリーも、ソフィの能力の前には、自分の考え方を180°変えざるをえないと悟ることになる。そして、その素晴らしい気づきを与えてくれたソフィに心を奪われていく。
そんな冒頭のシーンから、なんとなくエンディングが想像できますが、だいたい想像通りの結末を迎えます。安心して見られるハートフル・コメディといったところです。マジシャンが出てくるからといって「大どんでん返し」を期待するとガッカリするでしょう。そういう映画ではありません。監督はウッディ・アレンです。気楽な態度で皮肉に付き合いながら、音楽や風景を楽しんでください。
ところで、ウェイ・リン・スーという中国人マジシャンですが、チャン・リン・スーを意識したのは間違いなさそうです。チャン・リン・スーの風貌やポスターの雰囲気をかなり意識して作られているように見えます。
レビュー
なし