garamanのマジック研究室

Anniversary Waltz

男性の観客が一枚カードを選び、その表面にサインします。女性の観客も一枚のカードを選び、サインします。マジシャンは2枚のカードをデックの離れた位置に挿入します。ちょっとしたおまじないの後、デックを裏向きにスプレッドすると、なぜか中央あたりにサインされたカードが一枚だけ現れます。そして隣には背中合わせになったもう一枚のサインされたカードが。離れた位置に挿入されたカードが引き付け合うように中央に移動しています。不思議はさらに続きます。男性客の手に、背中合わせの2枚のカードを乗せ、女性客に手を重ねてもらい、もう一度ちょっとしたおまじないをかけます。すると、ふたりの手の中で2枚のカードは融合し、一枚のカードになってしまいます。表面しかないカード、その両面に間違いなくふたりが書いたサインがあるのです。

ドク・イーソンの名作です。

アニバーサリー・ワルツ

インサイド・ザ・マインド 第2巻 日本語字幕版
演技 : Chapter 8
解説 : Chapter 14

ギャレット・トーマスの改案です。原案では最終的にマジシャンが主役になってしまう事を懸念して、よりタイトルにふさわしくなるように、相手のふたりが主役になるようにした改案です。マジシャンの手の中で起こる現象を少なくして、観客の手や観客の心の中で起こる現象を増やすように心がけられています。手順の流れは次のようになります。まず女性にサインしてもらったカードをデックに戻し、そのカードの位置を男性客に当ててもらいます(この演出で男性客を主役にしています)。その後、男性客にも別のカードにサインしてもらい、先ほどの女性のカードとは背中合わせになるように、デックの離れた位置にアウトジョグされた状態で差し込みます。

デックをスプレッドすると、アウトジョグされた観客のカードは、一枚は裏向きで、もう一枚は表向きで、離れた位置にあります。サインは一人分しか見えませんが、デック全体をひっくり返してもう一度スプレッドすることで、もう1枚のサインもハッキリと確認できます。確かにふたりのサインは別々のカードにあり、まだ離れた位置にあるように見えます。その2枚を抜き出し、背中合わせのまま男性の手のひらに乗せ、女性にも手を重ねてもらいます。ふたりでカードを挟んだ状態で「誓います」と宣言すると、2枚のカードは溶け合って1枚になっています。もちろん、そのカードは記念に持ち帰ってもらうことができます。

記念日のような特別な日にしか演じたくない、という思いから普段から準備だけはしておくものの、あらかじめプログラムに組み込んでおいたりはしないそうです。これが一番大事なポイントかもしれません。(2014.11.09)

Anniversary Waltz

パーティ・アニマル 第1巻 日本語字幕版
演技 : Title 2/Chapter 23 & 24
解説 : Title 2 / Chapter 25

マシュー・J・ドーデンの改案です。彼のテーブルホッピングというスタイルに合わせて、2つの大きな改案ポイントがあります。ひとつ目は、テーブルを使わないこと。これのおかげでテーブルホッピングでも気軽に演じることができます。ふたつ目は、セットがシンプルなこと。テーブルホッピングなので、観客が何らかの記念日なのかどうかは話してみるまでわかりません。事前にアニバーサリー・ワルツ用の準備をしても、該当する観客に当たるとは限りません。その点、この改案では、観客と話してみてアニバーサリー・ワルツを演じるのにふさわしいと思ったところから、簡単にセットすることができます。

DVD では、実際のバーで演じられたシーンが2通り収録されています。同じ手順でも観客が変われば雰囲気が変わってくるものです。臨機応変に対応する様は勉強になります。2人の観客との立ち位置が違っていたり、観客の反応が大きく違っていたりするなか、楽しみながら演じ分けているのが見所です。8分ほどかけてじっくりと細かいところまで解説されていますので、習得も容易でしょう。(2017.01.22)