Cutting The Aces
4枚のAを1組のデックの中にバラバラに混ぜてしまいます。マジシャンが1組のデックを無造作にカットすると、そこから1枚目のAが出てきます。同様にカットをする度に2枚目・3枚目のAが次々と出てきます。最後に4枚目のカードを出現させるためにもう一度カットをしますが、Aではないカードが出てきてしまいます(仮にハートの5だったとします)。
最後の一枚は失敗したかのようですが、マジシャンはこう言います。「そのカードは外れたのではなく、何枚目にAがあるかを予言しているのです。」半信半疑ながらもあなたがカードを数えていくと、たしかに5枚目から最後のAが現れます。
CUTTING THE ACES (Dai Vernon)
STARS OF MAGIC (日本語版)
p.30
考案者であるダイ・バーノンの原案です。まさにカードを自在に操っているかのようなこの現象は、見た目にも分かりやすく手順も短いので観客を飽きさせることがありません。本の中では解説の冒頭でカーディーニが「最も尊敬し賞賛するトリックだ」と絶賛しています。ただし、解説文はちょっと判読が難しく感じるのが欠点。日本語版ではなく原文を読んだ方が分かりやすいかもしれません。
最後に「基本技法」と題して「スリップカット」の説明がありますが、この技法が自然に演じられるようになれば、一点の曇りも無い見事なトリックが完成します。(2004.05.22)
Aの出現 (Dai Vernon)
カードマジック事典
p.309
考案者であるダイ・バーノンの原案の手順を高木重朗氏が詳しく解説しています。「Aの出現」というタイトルで紹介されていますが Cutting the Aces の原案の手順をそのまま解説してあります。といっても、高木重朗氏の翻訳ですから原文の直訳ではなく日本人にも読み易い文章になっています。原案を知りたいのならこの本の解説が最適でしょう。(2004.05.22)
Cutting the Aces
ヴァーノン・リベレーションズ 1&2巻 日本語字幕版
Chapter10
スティーブ・フリーマンによる Cutting the Aces の実演が見られます。考案者のダイ・バーノンやホスト役で参加しているマイケル・アマーらと一緒に、作品について語り合っているような内容ですから、一般の観客の前で演じるような鮮やかな見せ方はしていません。手順の途中で何度もバーノン自らのコメントが飛んできますので、フリーマンの演技も何度も止まったり戻ったりします。ここまでじっくりと手順を確認できる映像はなかなか見られないと思います。
ちなみに、この映像の手順構成は原案のままです。(2007.11.17)