garamanのマジック研究室

Follow The Leader

赤いカード10枚のパケットを表向きにテーブルに置きます。その隣に黒いカード10枚のパケットを同様に表向きに置きます。赤のパケットから1枚のカードを抜き出し、赤パケットの手前に表向きに置きます。この1枚のカードをリーダーカードと呼びます。黒のパケットからも同様に1枚のリーダーカードを抜き出し、黒パケットの手前に表向きに置きます。

ここで、「フォロー・ザ・リーダー」というゲームを紹介しましょう。このゲームは、一人のリーダーの動きを他のメンバーが真似するという子供の遊びです。このマジックは、赤と黒のそれぞれのパケットがリーダーカードの真似をするというストーリーになっています。

話を戻しましょう。先ほど赤と黒のリーダーカードを抜き出してそれぞれの色のパケットの手前に1枚ずつ置きました。赤のパケットの手前には赤のリーダーカード、黒のパケットの手前には黒のリーダーカードです。では、赤と黒のパケットをそれぞれその場で裏返しましょう。ここからが本番です。赤と黒のリーダーカードの位置を交換するのです。赤パケットの手前に黒いリーダーカード、黒パケットの手前には赤いリーダーカードがきます。このリーダーの動きを赤黒のパケットは、真似しなければいけません。うまく真似ることができていれば赤黒のパケットも入れ替わっているはずです。それぞれのパケットを一枚ずつめくってみましょう。うまく真似ることができたようです。赤パケットだった方から黒いカード、黒パケットだった方からは赤いカードが出てきました。その後も何度かリーダーカードを入れ替えますが、その度にパケットからはリーダーと同じ色のカードが出てくるのです。


リーダーにつづけの原案
〜Folow the Leader〜

松田道弘のマニアック・カードマジック
p.78

ほぼダイ・バーノンの原案の手順を松田道弘氏が解説されています。はじめの2ページくらいは、このアイディアのルーツや改案の歴史、「Oil And Water 」との関連について記述されています。マジックの手順や原理だけでなく、こういった周辺知識を理解しておくことはとても重要だと思います。

ここで紹介されている手順は赤10枚・黒10枚を使った方法です。前半部分である技法を使いますが、この本では殆ど技法の説明がありませんので、基本的な技法+αくらいの知識が無いと理解できないかも知れません。文章としては「○○○○(技法名)を使って、XXX の状態にします。」という感じで書かれていますので、その技法名から具体的な方法がイメージできないと実演できないでしょう。とはいうものの、その技法自体はさほど難しいものではありませんので、マジックそのものの難易度としてはそれほど高くありません。(2005.02.26)

リーダーに続け

奇術入門シリーズ トランプマジック
p.52

ジョン・スチュアート・スミスの改案です。この手順では、赤黒それぞれ5枚ずつのカードを使用します。ダイ・バーノンの原案では基本的な技法を組み合わせることでこの現象を起こしているのに対し、スミスの方法では、カードそのものの特性を生かした実に大胆な原理が採用されています。大胆だと思えるところが3回も出てきます。(苦笑)

また、解説の最後に同様の原理を使って、エドワード・マーローの「Oil And Water 」効果を生み出す方法も概説されています。これもまた参考になります。(2005.02.26)

アクロバット・リーダー

card magic designs
p.38

[card magic designs]が発表された当時、話題をさらった作品の一つです。本人による演技はネット上にも公開されているので、本を買う前に見たという人も多いのではないかと思いますが、映像を見た後でも本を買わずにいられた人はどのくらいいたのでしょうか?そのくらい、この作品のインパクトは大きいものでした。一般の方はもちろん、アマチュア・マジシャンもプロ・マジシャンも等しく驚きを満喫できたのではないかと思います。怪しい動きが一切なく、「ありえない!」と感じる現象が、連続でしかもゆっくりと起こります。

フォロー・ザ・リーダーは、改案の非常に多い作品のひとつですが、その中で群を抜いていると言っても過言ではないでしょう。本人の演技と本の中の解説では、リーダーについていく方の赤と黒のパケットは全く同じカードを6枚ずつ使っています(スペードの10を6枚と、ハートのキングを6枚といった感じ)。この構成はストーリーの自然なつながりと、現象の分かりやすさに一役買っています。とはいえ、この作品は同じカードを6枚ずつにしなくても実演可能ですので、バラバラな同色のカードを6枚ずつにして、借りたデックでも行うことはできます。これだけ公明正大に現象を起こせるのなら、あえて借りたデックで行うのも面白いと思います。(2015.03.29)

リーダーに続け

カードマジック大事典
p.386

バーノンが 1933 年に [Five Close-Up Problems] で発表した原案手順です。使う技法はひとつだけ。それも決して難しいものではありません。シンプルな操作でわかりやすい現象が起きる。一種のお手本的作品です。クラシックとして残るのも頷けます。多くの改案があるので、つい派手な演出に飛びついてしまう人もいるかもせませんが、この原案を一度理解した上で実演すると、より効果的ではないでしょうか。

たった1ページの解説で、イラストも写真もなく、7つの箇条書き程度の文章ではありますが、理解するのに困ることはないでしょう。(2017.07.23)

従順
〜 Simplified FTL 〜

パケット・トリック
p.130

マックス・メイビンによる改案です。赤黒4枚ずつのレギュラーカードを使った手順で、難しいテクニックも使わずに実現するというタイトル通りシンプルな改案です。黒いカードを表向きに4枚数えたあと裏向きにテーブルに置きます。残りの4枚の赤いカードも表向きに4枚数えた後裏向きにしてテーブルに置きます。かなりクリーンに赤黒4枚が別々のパケットとしてテーブルに並べることができます。もちろんこのタイミングでちょっとした工夫を施すわけですが、難しいテクニックを使うこともなく自然な動きで見せられます。

その後、それぞれのパケットからリーダーカードを1枚ずつ表向きにした後は、いよいよ Follow The Leader 現象になります。この段階では全くテクニックが必要なく、演技に集中できるので非常に扱いやすい作品です。(2024.04.13)

力関係
〜 Off-Balance Leader 〜

パケット・トリック
p.132

マックス・メイビンによる改案です。5枚の黒いカードと3枚の赤いカードというアンバランスな組み合わせの作品です。リーダーの移動に合わせてパケットの色が変わるのはもちろんですが、パケットの枚数までが入れ替わるという作品です。赤と黒、どちらのグループが5枚なのかを明確に示したにもかかわらず、手順の最後にはその枚数が入れ替わってしまいます。

一風変わった現象ですが、これをインパクトがあると見るか、現象が曇っていると見るかは意見が分かれるところかもしれません。作品解説では簡単に手順や原理を解説しているだけで、演じ方についてはあまり詳しく解説されていません。ストーリーテリングのスキル次第でインパクトの強さが変わってきそうです。(2024.04.20)

Moveless Follow The Leader

The Magic Of Alex Elmsley 3
演技:Title1 / Chapter25
解説:Title1 / Chapter26

アレックス・エルムズレイらしい改案です。難しい技法を使う事なく、ほぼセルフワーキングで実現できる作品に仕上がっています。

デックからクリーンに取り出した赤・黒6枚ずつのカードを使います。取り出した12枚のカードは赤・黒交互に重なっています。テーブルに2枚のカードを配り、それぞれを赤と黒のリーダーカードとします。残りのカードも左右交互にリーダーカードの手前に裏向きで配っていきます。手前にできた2つのパケットのトップカードをめくると、当然リーダーカードと同じ色です。残った4枚ずつのパケットを左右入れ替えてからトップカードをめくると、それでもリーダーカードと同じ色です。残ったカードを入れ替えようと、リーダーカードの方を入れ替えようと、なぜかいつもめくったカードはリーダーと同じ色になります。

難しい技法が不要などころか、借りたデックで即興でもできる手軽さも特筆に値します。(2024.06.23)

類は友を呼ぶ

マーク・ウィルソン マジック大百科【クロースアップ・マジック編】
p.183

赤・黒5枚ずつのノーマルなカードを使用するフォロー・ザ・リーダー現象です。「グライド」の章で解説されている作品だけあって、グライドのみで達成できます。5ページにわたって14枚のイラストを添えて解説しているので、確実に習得できるでしょう。

シンプルすぎるのが物足りなかったのか、リーダー・カードのAの上に次々に置かれていくカードは、色が追随するだけではなく、2、3、4、5と順番に現れます。この作品の特徴とも言える部分ではありますが、残念ながら現象が濁っているような印象を受けます。この現象を達成するために準備がちょっとややこしくなってしまうのも、あまり得はしていないような気がします。解説の最後には、カードの順番にこだわらない場合の演じ方もコメントされていますが、そちらの方がおすすめです。(2024.07.21)