Frog Prince
「蛙にされてしまった王子様」という、メルヘンな世界を演出したマジックです。素敵なストーリーに彩られた、上品なマジックです。まるで映画のような世界。というわけで、あえてここでは現象を書きません。「蛙にされた王子様」「悪い魔法使い」というキーワードからイメージしてください。一度見たら忘れられないマジックです。
マジシャンのキャラクターによっては相性が合わないかもしれませんが、見てくれる人をこのマジックの世界に自然に引き込めるようになれば、演技力・表現力に自信がつくかも。。。
ちなみに王子様が魔法や呪いをかけられて蛙の姿にされてしまうという展開は、西洋では良くある物語のようです。そして、美しい娘や姫にキスされる事で王子の姿に戻るというのもお決まりのパターンのようです。日本で演じると「なぜ蛙?」と思われるかもしれませんが、西洋では自然なのですね。
フロッグ・プリンセス
即席マジック入門事典
p.116
麦谷眞里氏による、フロッグ・プリンスの簡易手順が解説されています。原案は、マイケル・クロースです。原案ではいくつかの技法を駆使していますが、それを大幅に易しくした手順がこの本に解説されているフロッグ・プリンセスです。とは言え、原案の効果をできる限り軽減させないように配慮されています。最も効果が損なわれているのは「スピード感」だと思われますが、こういったストーリー重視のマジックでは多少ゆったりとした流れで演じても問題ありませんから、そういった意味では、原案の効果をそのままに、手順だけが易しくなったものと言っても良いかもしれません。
手順が易しくなっているために、このマジックが安易に演じられるてしまう事を懸念してしまいます。(悪い癖ですが。。。)手順を理解しただけで、「できるようになった」気になってしまう傾向がありますが、始めのうちは最も習得しがたいミス・ディレクションが必要ですので、くれぐれも練習は怠らないで下さい。(2005.11.12)
カエルにされた王子
カードマジック大事典
p.202
マイケル・クロースの原案の手順です。カエルの折り方についての図や、演技中のイメージを伝える2枚の写真がありますが、それ以外は簡単た解説文で2ページを占めます。準備の解説や現象についての説明を覗くと実質1ページ分の手順解説ですが、それでも原案通りのストーリーに乗せて、充分に理解しやすい内容です。これは、著者のまとめ方も然ることながら、原案の手順自体がそれほど複雑ではなく、ストーリー重視で楽しんでもらえる名作である事を物語っています。(2016.08.06)