garamanのマジック研究室

Matching The Cards

あなたが選んだ1枚のカードをテーブルに裏向きに置いておきます。このカードはあなたも含めてまだ誰も見ていません。この状態でマジシャンは残りのデックからあなたのカードと同じ数字のカードを3枚取り出してみせると公言します。

デックの真ん中から1枚、トップから1枚、最後はボトムから1枚、と同じ数字のカードが3枚出てきます。これで、始めにあなたが選んで裏向きに置いてあったカードも同じ数であれば、公約は達成された事になるのですが、残念ながら全く違う数字のカードだったようです。。。

が、この後あるどんでん返しが起こり、公約は達成されます。

マッチング・ザ・カード (Dai Vernon)

カードマジック入門事典
p.317

ダイ・バーノンによる、サッカートリックの名作です。高木重朗氏によって解説されています。

マジシャンがリフルしているデックに観客がテーブルナイフを差し込む、という方法で1枚のカードを選ぶ事から始まります。その後の3枚のカードはマジシャンが選び出します。このテーマは古くからあるようでバーノンの原案というわけではありませんが、バーノンが Matching The Cards と名付けて発表したこの手順の影響で普及し始めたようです。バーノンの手順が発表される前にも同じテーマの作品がいくつかあったようですが、難易度が高いものや手順の複雑なものが多かったようで、それを、単純化して蘇らせたのが改案の名人・バーノンだったという事のようです。この手順が発表された後には、Matching The Cards を元にした改案が次々と発表され、"Matching The Cards" というタイトルの一冊の本まで出版されたそうです。

解説は3ページ、イラスト3枚の簡潔な手順解説です。全くの初心者には難しい解説かもしれませんが、見事にポイントを絞った名解説だと思います。(2006.08.13)

コレクティング・ア・ミステーク

遊びの冒険 全5巻
「1 トランプ・マジック・スペシャル」p.107

トリックと技法の理想的な組み合わせの一例として、松田道弘氏が紹介しています。ヘンリー・ハットンとアドリアン・プレートの共著「マジッシャンズ・トリック」に解説された古典的なやり方が解説されています。この本が発行されたのは1912年ですから、バーノンが Matching The cards を発表するより前のものです。この古典的な作品では、始めの1枚を選ぶのも途中で3枚の同数字のカードを選ぶのも、全て観客に任せるという方針になっています。もちろん、それに伴って技術的な難しさが増すわけですが、クロースアップではとても実演する気が起こらないほど難しいです。ただ、当時主流であったパーラー・マジックとしてなら充分通用すると思います。バーノンの手順の手軽さにも惹かれますが、この古典的解決法にも、何とも言えない力強さを感じます。

手順の解説は3ページほどで特にイラストもありませんが、原理はシンプル(技法は難しいですが...)ですので読んでいて躓くような事はないと思います。(2006.08.13)