garamanのマジック研究室

Tenkai's Reverse Cards Mystery

デックを二つに分け、片側のパケットだけを裏返します。表面同士が合わさるようにパケットを重ねます。トップから半分は裏向き、残りの半分は表向きの状態です。 このままデック全体をくるくると回してみますが、当然のことながら何も起こりません。トップの一枚は裏向きですし、ボトムの一枚は表向きです。しかし、このトップとボトムのカード二枚をどちらも裏向きにしてデックに差し込むと、次の瞬間、デック全体が裏向きに揃ってしまいます。

Tenkai's Reverse Cards Mystery

ターベル・コース・イン・マジック 第1巻
p.215

「すぐにできて、面白くてかつ不思議な現象」と紹介されている石田天海氏の作品です。現象は本文に書いた通りです。ターベルコースの日本語版の版権をターベルから譲り受けたほど親交の深かった石田天海氏ですから、この作品は、ターベルに直接見せたものかもしれません。ちょっとした工夫と大胆なムーブがこの現象を可能にしています。一つの作品として取り上げるかどうか迷うくらいのシンプルな小品ですが、この作品の持つ意味は決して小さくないと思います。まだ認知心理学という分野も確立していない頃に、よくもここまで人の認知メカニズムを自然に利用できたものだと感心します。文章で読んだだけでは、「いや、それはバレるでしょう」と思う人も少なくないはずです。でも立派に通用しますし、最近ではこういうムーブを取り入れる人が増えてきたように感じます。(2015.01.12)