garamanのマジック研究室

Triple Coincidence

マジシャンは、一組のデックから3枚のカードを抜き出します。その後あなたも同じように3枚のカードを抜き出します。あなたが選んだ3枚のカードと予めマジシャンが選んでおいた3枚のカードを照らし合わせてみると、、、

数字と色が一致した3組のペアになっているのです!

ちなみに「数字と色が一致したペア」のことを「メイト」と呼びます。たとえば、スペードの6のメイトはクラブの6、ハートのジャックのメイトはダイヤのジャックになります。

※ 同じく Triple Coincidence と呼ばれる、別の現象の作品もあります。


3つの一致 (Nick Trost)

奇術入門シリーズ カードマジック
p.64

ニック・トロストの巧妙な手順。演技の最後に、マジシャンが選んだカードと観客が選んだカードが一致していることを確認するときの原理に特徴があります。多少手順が長く、観客からは不要に見える手順も含まれてしまうのが欠点ですが、適度な台詞を考えて分かりやすくスムーズに演じればあまり気にならなくなると思います。この手順が非常に巧妙だと思うのは、一切の技法を必要とせず、準備もなく演じることが可能なレベルにまで考え抜かれているからです。ちょっとした技法をプラスするだけで、もっと手順がスマートになるのは確かですが、「可能な限り簡単に、効果的な現象を起こす」という事を目的とするなら、これ以上の手順はないのではないでしょうか?一度この原理を理解してしまえば、いつでもできるマジックですので重宝することと思います。

本の解説自体も18枚のイラスト付きで分かりやすくまとまっていますので、修得に支障は無いと思います。技法を必要としないことから、専門用語も出てきません。初めて覚えるカードマジックとしてもお勧めします。(2005.06.11)

ハット・トリック

ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ1
p.64

フォールス・カットを利用したマジックとして、ロベルト・ジョビーが解説しています。正確には次のような現象です。

「観客に自由にシャッフルしてもらった1組のデックから、予言として3枚のカードを選び出します。これはテーブルに表向きに置いておきます。その後デックをカットする度に、予言してあった3枚のカードとメイトになるカードが現れます。」

この本は、技法の解説を丁寧にしており、その技法にあったマジックを紹介していくような流れになっています。「ハット・トリック」はフォールス・シャッフルの修得に最適なマジックとして解説されています。技法の修得のためのマジックですから、3枚のカードを一致させるために3種類のフォールス・カットを使用していますが、必ずしもこの3つの技法である必要はないでしょう。フォールス・カットをいくつか覚えておくことは他のマジックを演じる上でも重要な要素です。色々なフォールス・カットを実践するには便利なマジックだと思います。(2005.06.11)