garamanのマジック研究室

Triple Coincidence

色違いの2組のデックを用意し、マジシャンと観客が一組ずつ持ちます。それぞれ、自分のデックを充分にシャッフルした後、3枚ずつカードを交換します。テーブルにスプレッドすると、お互いのデックに色違いのカードが3枚ずつ入った状態を確認できます。

自分のデックに混じった相手のカードを一枚ずつめくっていくと、3枚とも全く同じカードを選んでいた事がわかります!

※ 同じく Triple Coincidence と呼ばれる、別の現象の作品もあります。

TRIPLE COINCIDENCE

STARS OF MAGIC (日本語版)
P.14

ジョン・ノーザン・ヒリアードも推奨する、ジョン・スカーニの手順です。珠玉の名作を集めた本ですから、現象の素晴らしさは言うまでもありませんが、一部全くの無駄に見える動作が入ってしまいます。最後に3枚のカードが一致している事を確認するためにテーブルにリボン・スプレッドしますが、その直前の動作です。単に手順どおりに演じただけでは、この部分の不自然さが際立ってしまうでしょう。

最後に起こる一致現象をドラマチックに見せる過程で台詞等に工夫を施せば、この部分の不自然さもカバーできるとは思いますので、自分流のアレンジを楽しめるところでもあります。

簡単なカットの技術しか使用しませんので、初心者の方でも安心して演じられると思います。とは言え、初心者向けと侮ってはいけません。何箇所か工夫の加えどころもありますので、中上級者の方が演じれば、飛躍的に効果を高められる作品でもあります。この手のシンプルな作品では、演者の個性や経験などが大きく効果を左右するような気がします。

「デック」を「テック」と書いてあったり、「ディーリング」を「リーディング」と書いてあったりしますが、その辺の誤字はご愛嬌。。。また、英語を直訳したような文体で読みにくいところもありますが、手順を理解するのに妨げにはなりません。そういった細かい点を補って余りある力強さが、この作品にはあります。2ページの解説と6枚のイラストによる、親切なアドバイスつきの解説です。(2006.07.08)

三重の一致
Triple Coincidence

カード・マジック事典
p.210

ジョン・スカーニの原案の手順を解説したものです。1ページにも満たない解説でイラストもなく、本を持っていても見落としていらっしゃる方も多いかもしれません。要点だけをまとめた簡潔な手順書、といった感じです。手順自体は充分に理解可能です。むしろ手順だけを知るには無駄がなくて良いです。ただし原案のままですので、STARS OF MAGIC (日本語版) の解説と同じように、最後の確認作業の直前に不自然な動作が入ります。初心者がこの本だけを参考に演じるのは、ちょっと難しいかもしれません。手順を再現する事だけはできますが、不自然さが際立ってしまいます。

まさに「事典」というイメージです。(2006.07.08)

三重の一致

ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ1
p.101

ロベルト・ジョビーによる手順解説です。基本的にはジョン・スカーニの原案の手順ですが、一部ジョビーの工夫が加えられています。3ページに亘る解説文は、手順の解説だけでなく的を射た的確なアドバイスも織り交ぜてあり「読者が実演するための解説」といったイメージです。ジョビーがどこを工夫したのかは、ハッキリと明記されていませんが、原案と比較するといくつか細かな変更が見受けられます。前述の「カードの一致を確認する直前の動作」も自然に解決されています。それでも高度な技法は使われていません。ここまで調整してあると、初心者の方が真似するだけでも素晴らしい効果を発揮できる事でしょう。(2006.07.08)

スカーニーの三重の一致

遊びの冒険 全5巻
「4 ミラクル・トランプ・マジック」p.53

松田道弘氏による改案です。原案の手順では、あまり見かけないシャッフルやカットが出てきますが、どちらもバーノンのダブル・カットに置き換えています(ダブル・カットを多用するとバーノンに怒られそうですが、、、)。スカーニーが原案を発表するときにダブル・カットを採用しなかった理由は、ハッキリしています。スカーニーが STARS OF MAGIC シリーズに原案を発表したのが1945年で、この時には、まだバーノンのダブル・カットが世に出ていなかったからです。ダブル・カットが発表されたのは翌1946年で、同じく STARS OF MAGIC シリーズに、ダイ・バーノンがCutting The Aces を発表したときです。「Triple Coincidence」と「Cutting The Aces」の発表時期が逆だったら、スカーニーもダブル・カットを採用していたかもしれません。(もし、そうなっていたら、スカーニーがバーノンに怒られちゃったかもしれませんが、、、)
とにかく、ダブル・カットを採用する事で全体的に不自然さが軽減されているのは確かです。

「カードの一致を確認する直前の動作」については、不自然な原案の手順が解説されているのが残念ですが、そこはやはり松田氏ですから、解説の最後にしっかりとアイディアを補足されています。ロベルト・ジョビーとは違う解決法が2つ提示されています。個人的には、ジョビーの解決案が一番素直な気がしますが。。。(2007.05.19)

三重の一致

<復刻版> トランプの不思議
p.123

ジョン・スカーニーの原案の手順です。「カードマジック事典」に書かれている手順と同じですが、手順だけを簡潔に箇条書きにした事典とは違い、こちらでは初心者が習得できるレベルまで親切に解説されています。元々、難しい技法を使用しない作品ですので、この1冊で充分に習得可能です。原案のままなので、私がちょっと気にしている「カードの一致を確認する直前の動作」は、不自然なままです。

6ページに8枚のイラストを添えた、易しい解説です。ちなみに、図214の挿絵では、左手の指が6本あるように見えますが、きっと気のせいです。(2012.01.14)