Chink A Chink
マジシャンは、テーブルに4枚のコインを正方形になるように並べます。1辺が 30cm の正方形になるような感じです。4枚のうち2枚のコインを両手で1枚ずつ覆い、合図と共に両手を開くと、別々の手で覆っていたはずの2枚が片方の手の下に集まっています。同じ現象を繰り返していくと、30cm 位ずつ離れていた4枚のコインが全て一箇所に集められてしまいます。
角砂糖やサイコロなどを使って演じられる作品が元になっていますが、使われる技法が違いますのでこのサイトでは別作品として扱います。
似た作品が多く、名前の付け方に決まったルールもないため、同じ名前が別の作品を表していたり、逆に同じ作品を違う名前で紹介したりします。私のサイトでは以下のように分類しています。
Coin Assembly | コイン・アセンブリ |
テーブル上でコインが1カ所に集まる現象の総称 | |
Sympathetic Coins | シンパセティック・コイン |
ハンカチやマットの下等に手で移動させたコインが、ハンカチ上の一カ所に集まる現象 | |
Matrix | マトリックス |
コインには触れずに、カード等で隠すだけで一カ所に集まる現象 | |
Chink A Chink | チンク・ア・チンク |
コイン以外の道具を使わずに、手で隠すだけで一カ所に集まる現象 |
チンカチンク Chink A Chink (David Roth)
コインマジック事典
p.102
本来は角砂糖を使って演じられたものを、デビッド・ロスがコインマジックに置き換えた手順です。
この本の中では、デビッド・ロスのオリジナルの手順を詳しく6ページに渡って解説してあります。16枚の挿絵付で解説されていますので、とても分かり易い解説になっています。手順自体は簡単ですが、手順を覚えただけで演じてしまうと色々と突っ込まれてしまうでしょう。(ここでは詳しく説明できませんが、、、)影で行っているテクニックを悟られないためには、とにかく美しく演じることが出来るまでじっくり練習することです。(2004.08.08)
Chink A Chink
Stars of Magic 8
演技 : Chapter3
解説 : Chapter6
デビッド・ロス本人による演技と解説が収録されています。原理が簡単なだけに多くの人がこの演技を取り入れていますが、手のひらの中央からちょっとずれた位置でコインを覆うので、そもそも不自然な動きで覆ってしまったり、一度手のひらの中央で覆ってから少しずらす動きを入れてしまうため、不自然さが残ってしまうことが多いようです。デビッド・ロスが流れるような動きで自然に演技をするのを見ていると、つい簡単にできそうなな印象を受けてしまいがちですが、細かなところに気をつけて見ていると、結構奥が深い作品です。無駄な動きを極力省く。この作品の成功の秘訣はここにあるようです。
映像で本人の演技を見ることをお勧めします。(2016.07.03)
Matrix Bad Way
Incomplete Works
p.54
こざわまさゆき氏の改案です。四隅に置いたコインが手で覆うたびに1枚ずつ一箇所に集まります。もう一度四隅に置いたコインが1枚ずつ集まっていく現象を見せますが、全て一箇所に集まるかと思った瞬間、元の四隅の位置に戻ってしまい、さらに次の瞬間には一箇所に集まってしまいます。シンプルな現象の連続でありながら、エンディングに向かって盛り上がりを見せる展開になっており、一般の方に見せることが意識された秀作です。
個人的な見解ですが、コインマジックはマジシャンと観客が感じる「適度なスピード」に大きな隔たりがあるように感じます。マジシャンがちょうど良いと思うスピードは一般の方には早すぎると思うのです。ゆったりと現象を見せるにはテクニックの精度をかなり高める必要があり難易度が上がるかもしれませんが、かといって技法を知られないためにスピードでごまかすようなアプローチをとってしまうと、結局現象の方も伝わらないという残念な結果を生む気がします。その点、この作品は観客が現象を追いやすいスピードで展開していきますので、おすすめの作品です。(2022.10.10)
元祖・中国コインを使ったアセンブリー
〜 The Original Chinese Coin Assembly 〜
コインマジック大事典
p.93
デビッド・ロスのオリジナル手順です。
6ページにわたってわかりやすく解説されています。15枚のイラストが添えられているので手順の理解は容易です。また実演にあたって重要な、細かな注意点がきちんと解説されているのは特筆に値します。細かな動きをどのように行うか、というだけでなく、なぜそういう動きをするのかがきちんと解説されており、読者が演者になるために必要な情報が網羅されています。オリジナル手順の解説としてはベストと言える内容です。(2024.01.06)
マジシャン向けのアセンブリー
〜 The Magician's Chinese Coin Assembly 〜
コインマジック大事典
p.99
前述の元祖・中国コインを使ったアセンブリーは、非常に不思議な現象ではありますが、右半分を右手が、左半分を左手が担当すれば良いところを、一度左手が右側に侵入してくるという違和感があります。もちろんマジシャンとしての都合から来るものですので、逆に言うと左右の手が左右それぞれのエリアから出ないままこの現象を起こせれば、マジシャンが「おっ」と思う作品になります。それを狙ってデビッド・ロスが考案したのがこの手順です。
1枚のコインが移動し、2枚目のコインも移動し、と中までは前述の手順と同じです。そしていよいよ3枚目の移動のタイミングで、左手を大きく右側の領域に踏み込ませることなく、あっさりと現象を達成してしまいます。原案に慣れたマジシャンほど、一瞬思考停止に陥ります。現象だけに注目すれば、全く違和感のない作品になります。ただし、その分テクニック的な難易度は上がります。(2024.01.14)
Must be somthin’ I ate (Chink A Chink)
Dave 2
演技 : Title2/Chapter5
解説 : Title2/Chapter6
デビッド・ウィリアムソンよる演技と解説が収録されています。通常の Matrix 同様、コインをテーブルに四角形に並べますが、その後の移動はコインを手に持った状態で行うのが特徴です。両手で1枚ずつのコインを取りあげますが、あっさりと移動して片手から2枚のコインが現れます。からになった方の手でもう一枚のコインを取りあげると、次の瞬間には2枚になっています。元々2枚持っていた方の手には1枚しかなくなっています。そんな移動を何度か繰り返し、最後には片方の手は空でもう片方には4枚のコインが集まっています。余計なムーブを極力排して見た目がクリーンな現象になっています。
本人の演技もあっさりしており、30秒程の演技です。インパクトのある現象をさらっと事もなげに見せるスタイルがお好みの方には重宝する手順だと思います。(2024.12.22)