garamanのマジック研究室

Cigar Through Coin

タバコがコインの中央をすり抜ける。インパクトのある現象です。そして、タバコの中央に貫通途中のコインが残っている状態でタバコに火をつけて吹かすことも可能です。さらにゆっくりとタバコを抜き取ったあと、コインを観客に手渡しますが穴は空いていません。

ある時代にテレビで一斉を風靡した作品です。


シガー・スルー・コイン
〜Cigar Thru Coins〜

コインマジック事典
p.202

道具の説明だけですが、イラストを添えてその構造が明確にされているので、手順は想像がつく範囲だと思います。ただし、この道具は50年前にはマジックショップで売られていたような基本的なものです。それが日本では Mr.マリックがテレビで演じるまであまりメジャーにはなりませんでした。つまり、道具だけ見てもその効果を感じにくいもので、それを一級品に仕上げるには見せ方が大切だったということです。

その肝心な手順や演じ方に関する記述が載っていないのが残念です。(2024.12.29)

Piaced Quater (Pencil Thru Quater)

Dave 2
演技 : Title2/Chapter12
解説 : Title/Chapter13

マイケル・アマーの手順をデビッド・ウィリアムソンが演じています。観客から見た現象は「観客が貸したコインにマジシャンが持っている鉛筆が貫通する。その後ゆっくりと抜き出したコインを観客に投げ返す。」といった感じでクリーンに見えます。

禁煙が進む時代にあって扱いにくいマジックになってきましたが、タバコを鉛筆に変えるだけで充分に現在でも活躍するマジックです。画面越しに見ると陳腐なCGのようですが、それを貸したコインを使って目の前で貫通させるわけですから、その驚きは特別です。また最後にゆっくりとコインを外してそのまま観客に渡してしまう流れはとてもスマートで説得力があります。マイケル・アマーらしい工夫で、デビッド・ウィリアムソンが絶賛するのも頷けます。

既存の道具をスマートに使いこなすお手本のような演技です。(2025.01.04)