Tenkai Pennies
使うのは2枚のコインだけです。両手に一枚ずつコインを乗せ、左手のコインをよく見せてから握ります。右手のコインもよく見せてからゆっくりと握ります。公明正大に一枚ずつのコインを左右の手に握りこんでいるにもかかわらず、両手を開くと、2枚とも右手から現れます。
名前になっている通り、石田天海氏の作品です。
テンカイ・ペニー・トリック
奇術入門シリーズ コイン・マジック
p.171
特にアレンジすることもなく、石田天海氏の手順が簡潔に解説されています。ただ、実演している姿を見ずに説明だけを読んで実践するのは難しいかもしれません。演じていて一番苦労するところが特にフォローもなくサラッと流されていますので、そこで躓いたり、おかしな見せ方を覚えてしまっている人も多いのではないかと危惧されます。実際、ネットに上げられている動画を見るとかなりの数の動画で、この部分に問題があります。この本では、手順解説の前に、小さなコインを使うことを勧めていますし、タイトルもペニーという小さなコインを使うことを示唆しています。小さい方が簡単というわけではなく、小さいコインを扱うことで不自然な手の形に合理性を与えています。ハーフダラーで演じていながらこの手つきになってしまっては、怪しさ満点です。ネット上の動画でも上手い人は小さなコインを使っています。小さなコインでゆっくりと行うことがポイントです。 (2015.01.18)
コインズ・アクロス(6)
コインマジック事典
p.85
石田天海氏の手順が10段階に分けて詳細に解説されています。全ての段階にイラストがついていますので、具体的にイメージしやすくなっています。ただし、やはり一番肝心なところがサラッと流されている印象を受けます。この解説でも冒頭で小さなコインを使うことを明記していますが、その意図は書かれていませんので、あまり気にせずにハーフダラーで練習した方は苦労したのではないでしょうか?苦労だけならまだしも、不自然な印象を与えてしまう癖を身につけてしまったかもしれません。 小さなコインでの実演をお勧めします。(2015.01.25)