garamanのマジック研究室

Dessolving Rubber Band

右手の親指と人差し指の間に輪ゴムをかけます。左手にも同様にもう一本の輪ゴムをかけます。二本の輪ゴムが交差するように指をかけ直し、左右に引っ張っても上下に引っ張っても、外れない事を確認します。と、ここまで来ると「どうやって二本の輪ゴムが外れるのか」と期待されそうですが、予想外の結末が待っています。

右手の指先で交差している部分をゆっくりと揉んでいると、段々と右手の輪ゴムが小さくなっていき、交差部分に溶けこんでいくように消えてしまいます。


溶けるラバーバンド

テクニカルなクロースアップマジック講座
p.49

George D. Franzen の「Dissolving Rubber Band」に荒木一郎氏が手を加えた作品です。

二本の輪ゴムが繋がったり外れたりする作品に「クレージーマンズ・ハンド・カフス」という作品がありますが、それに続けて演じると更にインパクトがあるでしょう。一本の輪ゴムが消えたように見せるのか、溶けたように見せるのか、演技次第で作品の雰囲気が大きく変わります。輪ゴムを色々と弄り回すような印象を与えてしまうと、折角の現象も台無しになってしまいますから、理由のある動きはゆっくりと演じた方が得策だと思います。付属のDVDに実演が収録されていますが、見慣れない人には若干早すぎるような気がします。「クレージーマンズ・ハンド・カフス」等を見慣れた人には適度なスピード感だと思います。相手によってメリハリを付けると効果的でしょう。

5ページに渡って14枚のイラストを添えて解説してあり、DVDにも収録されている親切設計です。ただ、私が所有している初版では「図2」のイラストは間違えているようです。図2が無くても手順は理解できますので、あえて見ない方が混乱しなくてすむでしょう。(2008.03.02)