garamanのマジック研究室

Last Match Trick

マッチ箱から取出したマッチが箱に戻る。もう一度取出して火をつけると、先が黒くなったマッチがもう一度箱に戻る。そんなトランスポーテーション現象です。

※ 改案を発表したクリスチャン・エングブルームによると、原案はカリー・ハッカラーというフィンランドのマジシャンだそうですが、タイトルが分からなかったのでクリスチャンの作品名をタイトルにしました。

The Last Match Trick

ファット・ブラザーズ 第1巻 日本語字幕版
演技 : Disk1/Title3/Chapter6
解説 : Disk2/Title3/Chapter3

クリスチャン・エングブルームの作品です。マッチに火が付く状態を恋愛に例えて、雰囲気のある作品に仕上げています。

まずマッチ箱を取出し、中を見せます。中には先の赤いマッチ棒が沢山入っています。中箱を引き抜きテーブルに伏せ、中箱を取り除くことでマッチ棒を山の状態でテーブルに残します。中箱は外箱に戻します。ここから演技スタート。山状のマッチ棒からポロッと崩れ落ちた一本のマッチ棒を右手に取り、外箱で擦って火をつけます。マッチを振って火を消すとなぜかマッチ棒自体が消え、左手に持った箱の中から現れます。箱から取出したマッチは先端が既に黒く燃え尽きた状態です。そのマッチを外箱で何度か擦っていると、もう一度火が付きます。再びマッチを振って火を消すと、またマッチ棒自体が消えてしまし、やはりマッチ箱の中から出てきます。出てきたマッチは当然先端が燃え尽きている状態です。

この一連のトランスポーテーション現象だけでも素晴らしいですが、テーブルに置いてあったマッチの山がいつのまにか、全て先端が燃え尽きているというエンディングで締めくくられます。

原案はフィンランドのマジシャンで、エンディングの演出はトミー・ワンダーの意見が元になっています。トミー・ワンダーは、彼の過渡期の作品を見て、「最後に残ったマッチが全て燃え尽きていたら面白い」とプロブレムを提供したそうです。作品としての方向性を打ち出すセンスも然る事ながら、そのプロブレムを見事に解決するクリスチャン・エングブルームもさすがです。また途中で必要になるギミックのアイディアについても、スウェーデンのマジシャン、トム・ストーンのタバコの手順がヒントになっています。何人もの天才が作り上げた作品と言えそうです。

実演だけでなく、しっかりと解説もされています。ギミックは(ちょっと大変ですが)自作する事も可能です。(2013.06.30)