garamanのマジック研究室

Micro Macro

マジシャンは、通常のカードの半分ほどの大きさであるミニデックを、テーブルに広げます。観客は、その中から1枚のカードを選び、表の数字を覚えたらデックに戻します。マジシャンがデックを揃えます。

と、ここまでは、小さなデックを使った簡単なカード当てのようですが、思いもよらない展開を迎えます。マジシャンがあらためてテーブルにデックを広げていくと、全てのカードが通常のサイズに変わっています。選ばれた1枚のカードを除いては。

ジョン・ハーマンの代表作です。

ミクロ・マクロ
〜 MICRO MACRO 〜

ブラザー・ジョン・ハーマン カードマジック
p.218

1959年にシカゴで初披露され、その後多くのマジシャン達がレパートリーに加え、様々なバリエーションが生まれました。この本では、原案者のジョン・ハーマンの原案が詳しく解説されています。原案では、ミニデックから1枚のカードを選ぶ前に、ポーカーサイズの4枚のクイーンを取出して、ミニデックの大きさと比較しています。この比較のために取出した4枚のカードも一瞬でミニサイズになるという、スタートからインパクトの強い演出になっています。

準備は結構大変です。6ページのうち3ページは準備の説明に費やされているほどです。イラストも18枚ありますが、そのうち10枚は準備のためのものです。しかし、それだけ準備に手間をかけても惜しくないほど、インパクトは大きいです。

この準備の殆どはギミックカードを作成するためのものですが、幸いな事にこの本にはトリックカードが付属しており、ミクロ・マクロのために必要なカードは付属しています。手順を覚えるには親切な作りです。ただし、紙の質や表面の加工は本物のカードとは違うので、実際に演じるときには自作した方がやり易いです。(2012.12.16)

ミクロ・マクロ (レギュラー・カード)
〜 MICRO MACRO (With Regular Cards)〜

ブラザー・ジョン・ハーマン カードマジック
p.224

ギミック・カードを使用した作品が注目されると、必ずレギュラー・カードでなんとかしようと試みるマジシャンが現れるものですが、ミクロ・マクロについては、ジョン・ハーマン自身がレギュラー・カード版の手順を残しています。

解説を読むだけでは、果たしてこれで通用するものかどうか疑わしく感じる人も多いでしょう。しかし、実際に演じてみればその効果は意外なほどです。人に見せなくても良いです。まずは実際に自分の手で演じてみてください。スムーズにリズム良く演じると、実際にレギュラーカードが小さくなったり大きくなったりしているように感じるはずです。自分でも信じられるくらいになったら、堂々と人前で演じましょう。

5ページほどのボリュームに14枚ものイラストを添えた解説ですので、理解は容易です。(2012.12.24)

奇跡のミクロ・マクロ

ロン・ウィルソン プロフェッショナルマジック
p.71

技法と演出が見事に調和した、素晴らしい手順です。ミニデックから選ばれたカードを残し、それ以外のカードは全てポーカーサイズに変わるという現象は継承しつつ、その後、選ばれたカードもポーカーサイズに変化させて、全てのカードを改めてもらうことができるというクリーンな終わり方を実現しています。

準備には結構な手間がかかりますが、それを補って余りある効果が期待できます。ただし、ロン・ウィルソン自身の個性があればこそ自然に見える演出ですので、台詞や体の動きにはマジシャンの個性に応じた工夫が必要です。この本の他の作品にも共通して見られる事ですが、手元を写した写真よりも、ロンの仕草を捉えた写真が多く掲載されています。これこそ、技法と演出が調和している証です。

11ページにわたる充実のボリュームで、イラストが5枚、写真が20枚添えられた解説です。(2012.12.30)