ザ・マジック 011号〜020号
デアゴスティーニから刊行された、隔週刊「ザ・マジック」。マガジンとDVDのセットで解説をするというスタイルは、マジックのレクチャーにはちょうど良いのかもしれません。監修はメイガス氏。現代のターベル・システムとなり得るか。
隔週刊 ザ・マジック シリーズ紹介
No.011
MAGIC
029. 4枚の予言
030. 消える塩
031. タバコの消失
付録
* レインボーシルク2枚
初めてのシルクの基本技法として「フェイクパス」が解説されます。またカードの基本技法として「クリス・クロス・フォース」も解説されます。シルクについては基本技法の解説もあり、2枚のレインボーシルクも付属していますが、まだシルクマジックの解説はされません。実際に道具を使って技法の練習をして次号以降の作品解説を待ちましょう。なお、今回解説される3つの作品のうち2つは、前号に付属していたサムチップを使用します。
HISTORY OF MAGIC のテーマは「自動チェス人形」。タークと名付けられたこの機械仕掛けの人形は、生身の人間とチェスの勝負をして、連戦連勝の腕前を持っていました。現代の人工知能を彷彿とさせる存在ですが、なんと1770年に登場しているのです。タークは、当時の人々はどれだけ驚かせたことでしょう。
No.012
MAGIC
032. 20世紀シルク
033. イモーショナル・リアクション
034. 4エース
付録
* 赤シルク2枚
カードの基本技法として「シークレット・アディション」が解説されています。応用範囲の広い技法です。またコインの基本技法として「クラシック・パーム」も解説されます。こちらもコインマジックを身につけるなら避けては通れない技法です。今号で、ようやくシルクマジックの解説が初登場します。その名も「20世紀シルク」。今やその命名の由来もはっきりしない程のクラシック作品ですが、シルクマジックを演るなら覚えておくべき逸品です。他にカードマジックが2作品解説されていますが、中でも「イモーショナル・リアクション」はメンタルマジックとしても秀逸です。
今号は、HISTORY OF MAGIC はお休み。WELCOME TO MAGIC WORLD では、日本最大級のマジックイベント「MAGIC MARKET 2019」が取り上げられています。
No.013
MAGIC
035. ハイパーESPカード
036. アートライルのフォー・オブ・ア・カインド
付録
* ハイパーESPカード
カードの基本技法として「ファン」と「テーブル・リフル・シャッフル」が解説されています。カードの技法もここまでできるようになればグッとマジシャンに近づいてきた感じがします。今号に付属しているのは、株式会社テンヨーが開発した「ハイパーESPカード」。エスパー風のマジックが簡単にできる優れものです。しかもこのデックを使った作品を、6つも解説する力の入れようです。また、通常のデックを使った作品もひとつ解説されています。こちらは、ほぼセルフワーキングでできるシンプルな手順です。
今号も、HISTORY OF MAGIC はお休み。WELCOME TO MAGIC WORLD では、マジシャンのBilly(ビリー)さんと、彼が運営する新宿高島屋のビリーズマジックショップが取り上げられています。
No.014
MAGIC
037. チンクアチンク
038. 2枚のカードから現れるコイン
039. アードネス・チェンジ
付録
* ダイス5個
いよいよ「ミスディレクション」の基礎的知識も公開。「フィジカル・ミスディレクション」「サイコロジカル・ミスディレクション」「タイム・ミスディレクション」の3つに分けて簡単な原理を解説しています。すでに過去の号で解説した作品を振り返りつつ、そこに含まれていたミスディレクションの存在に気が付いた時、マジックの世界に一歩踏み込んだ感触を味わうことになるでしょう。また、基本技法として、コインやダイスの「クラシック・パーム」も解説されています。付属しているダイスでクラシック・パームを駆使することで「チンクアチンク」を演じることが可能になります。チンクアチンクは「クラシック・パーム」をダイレクトに使った作品ですが、他の素材を使った全く別の作品でもクラシック・パームは重宝します。使用頻度の高い技法ですから、体に馴染むまで練習を繰り返してください。
今号も、HISTORY OF MAGIC はお休み。WELCOME TO MAGIC WORLD では、JCMA(日本クロースアップマジシャンズ協会)が取り上げられています。
No.015
MAGIC
040. ミラクルスルーコイン
041. ブラフ・バニッシュ・ルーティン
042. ホイのブックテスト
付録
* ミラクルスルーコイン
カードの基本技法として「フォールス・カット」が解説されています。技法解説はコレひとつです。作品は3つ収録されています。そのうちのひとつは、コップの底をコインが貫通したような現象を見せることができます。必要な道具は付属しており、そのギミックの巧妙さは感動的です。もうひとつ特筆するべき作品は「ホイのブックテスト」。デビッド・ホイの傑作メンタルマジックです。手頃な厚さの本が2冊あれば、いつでもどこでも実演できるという、とても重宝する手順です。
今号も、HISTORY OF MAGIC はお休み。逆に初めての試みとして「STAGE MAGIC SHOW」というコーナーができました。この号までに解説されてきた40以上の作品から厳選して4つを抽出して、全体として10分程度のショーを構成しています。WELCOME TO MAGIC WORLD では、二人組の女性マジシャンユニット「プリマベーラ」が取り上げられています。
No.016
MAGIC
043. 依りヒモの復活
044. オイル & クイーン
045. ウィングド・シルバー
付録
* ブッダ・ペーパー
* 依りヒモ
コインの基本技法として「シャトル・パス」が解説されています。重要な位置を占める技法です。作品については3つ解説されています。中でも「依りヒモの復活」は、カードもコインも使わない作品ですので、今の時代にはより不思議な体験を演出できます。他の作品も侮れません。カードマジックから「オイル & クイーン」、コインマジックから「ウィングド・シルバー」が、それぞれ解説されています。どちらも有名な作品で、クロースアップ・マジシャンになるなら必ず通る道でしょう。
久しぶりの HISTORY OF MAGIC では、イタリア生まれの18世紀のマジシャン、ジョセフ・ピネッティが取り上げらています。彼が残した数々の伝説はまるで遠い世界の話のようですが、そんな彼の残した作品は現代にも脈々と受け継がれています。WELCOME TO MAGIC WORLD では、多くのマジシャンがお世話になっている出版社「東京堂出版」が取り上げられています。
No.017
MAGIC
046. 読心術のキューブ
047. ブラックマジック
048. デイブス・デライト
付録
* 読心術のキューブ
コインの基本技法として「ドロップ・バニッシュ」、カードの基本技法として「スプレッド・パス」が解説されています。どちらも実用的で少し難易度の高いテクニックです。今号の作品は、3つともそれぞれ個性的なものになりました。「読心術のキューブ」は付録の道具を使ってメンタルマジックを簡単に実現することができます。「ブラックマジック」は特別な道具は使わず、身の回りにある日常的な品物をいくつかテーブルに並べて、観客が密かに選んだ一品を当てるというメンタルマジックです。最後の「デイブス・デライト」はカードマジックですが、サッカー・トリックに分類されるもので、失敗したように見せかけてひっくり返して見せる演出です。
HISTORY OF MAGIC では、「賢い動物たち」が取り上げられています。計算ができる豚、会話ができる犬など、見せ物として各国でパフォーマンスが行われました。その背景には、ある程度のトリックが存在し、それを習得するだけの訓練が必要です。実際に計算ができなくても、計算ができるかのように見せるトリックを覚えて実演できる動物たちですから、賢いことには違いありません。中でも口頭での質問に答えることができた馬・ハンスが話題を集めました。動物たちがトリックを実演すると、それを見た人間は拡大解釈をして驚いてしまうわけで、そういう認知メカニズムが、のちに「賢いハンス効果」という心理学用語まで生み出しました。WELCOME TO MAGIC WORLD では、「日本奇術協会」が取り上げられています。
No.018
MAGIC
049. ダイス・フライト
050. カップの透視
051. ビジター
付録
* ダイス・フライト
カードの基本技法として「カード・スプリング」と「プル・スルー・シャッフル」が解説されています。この2つが同列に扱われるのはさすがに違和感を感じます。またコインの基本技法として「スペルバウンド・ムーブ」が解説されています。ムーブのひとつとはいえ、これだけでもマジックとして成立する程の大事なテクニックです。今号もマジックの解説は3つ。付録の道具を使った「ダイス・フライト」は、カップ・アンド・ボールのような印象を与える作品ですが、道具に工夫があり比較的簡単に演じられるようになっています。カードマジックからは「ビジター」が解説されています。わずか18号にして、早くも本格的なクラシック作品が選ばれています。かと思えば「カップの透視」という、子供向けによく選ばれるような作品も解説されていて、今号は、テクニックも作品も振れ幅が大きいのが特徴です。
WELCOME TO MAGIC WORLD では、「スクリプト・マヌーヴァ」が取り上げられています。
No.019
MAGIC
052. シルクの貫通
053. シルク・プロダクション
054. ワイルド・コイン
付録
* 黄色シルク1枚
* 青色シルク1枚
今号はシルク特集。シルクの基本技法として「スリップ・ノット」と「フォールス・ノット」が解説されています。またシルクのフラリッシュとも言える「片手結び」が解説されています。片手結びができるようになると、シルクを空中に放り投げるだけで結び目を作ることもできます。マジックの解説は3つ。うち2つがシルク・マジックです(全部シルクにすれば良いのに...)。「シルクの貫通」は、観客が持ったシルクとマジシャンが持ったシルクを結びあわせたにもかかわらず、結目が残ったまま2つのシルクが離れます。「シルク・プロダクション」は、1枚のシルクを振るともう1枚のシルクが飛び出してくるという現象が3回続けて起こります(12号に付属している赤色のシルクも必要です)。最後の「ワイルド・コイン」は、3枚の500円玉を1枚ずつ古銭に変えていき、最後には3枚とも元の500円玉に戻るというテンポの良いマジックです。
HISOTRY OF MAIGC では、ファンタスマゴリアという18世紀のフランスで上映された幽霊ショーを取り上げています。映画どころか写真すら無い時代のことです。暗い部屋に集められた観客は、目の前に確かに映し出されている幽霊や骸骨・悪魔たちにどれだけ驚いたことか。恐れ慄く者、果敢にも剣を抜こうとする者、床に跪き頭を抱えて怯える者、そんな姿を描いた絵と共に歴史が語られています。WELCOME TO MAGIC WORLD では、名ガスやプリマベーラなどが所属する「FLCエンターテインメント」が紹介されています。
No.020
MAGIC
055. シルクセレナーデ
056. コインズ・アクロス
057. 名刺の印刷
付録
* シルクセレナーデ
カードの基本技法として「スリップ・カット・フォース」と「空中でのリフル・シャッフル」が解説されています。今号は作品も本格的です。まずは付録にもついている「シルクセレナーデ」。カラフルなレコード盤とシルクを使った綺麗なマジックです。見た目にも分かりやすい現象ですし、カードやコインなどに比べて道具が大きいため、少し観客との距離があるような場面で演じるのに重宝する作品です。他にも、ハンカチの四隅にコインを置いて、2枚のカードを駆使して移動を繰り返し、最終的に1箇所にコインを集めてしまう「コインズ・アクロス」や、白紙の名刺を印刷機に見立てた手に通すと、名前が印刷されて出てくる「名刺の印刷」など、クロースアップ2作品も解説されています。
WELCOME TO MAGIC WORLD では、日本初のデック専門店「株式会社プレイフェア」が紹介されています。
レビュー
なし