ザ・マジック 081号〜090号
デアゴスティーニから刊行された、隔週刊「ザ・マジック」。マガジンとDVDのセットで解説をするというスタイルは、マジックのレクチャーにはちょうど良いのかもしれません。監修はメイガス氏。現代のターベル・システムとなり得るか。
隔週刊 ザ・マジック シリーズ紹介
No.081
MAGIC
211. レインボー・エーセス
212. リング4本の手順②
付録
* レインボー・エーセス
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「レインボー・エーセス」。赤裏のデックから4枚のエースを取り出して表向きに持ちます。表向きの4枚のエースにおまじないをかけると、ダイヤのAだけが裏向きになります。もう一度おまじないをかけると今度はハートのAだけが裏向きになります。続けてクラブとスペードも同じように裏返します。さらにおまじないをかけると、4枚のカードが全て青裏に変わります。ところがこれだけでは終わらず、最後に全てのAを裏向きに並べるとカラフルな裏模様になってしまいます。ふたつ目は「リング4本の手順②」。一本のリングに向けて別のリングを叩きつけると繋がってしまうというクラッシュリンク。そんな技を続けて1本のリングに3本のリングを通してしまいます。その後一瞬にして縦に4本が繋がった状態に変わるなど、一連のシーケンスを作るのに欠かせない展開が解説されています。また大技ジェイコブズ・ラダーというテクニックも解説されていますのでぜひ挑戦してください。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.082
MAGIC
213. トス・アウト・デック
214. リング4本の手順③
215. エースの予言
付録
* ワンウェイ・デック
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は3つです。ひとつ目は「トス・アウト・デック」。輪ゴムで束ねた1組のデックを観客に渡し、見ないでデックを適当なところで分けてもらい、その部分のカードを記憶してもらいます。他の2人の観客にもデックを渡し、同じように適当なところで分けてもらい、見たカードを覚えてもらいます。この間マジシャンは一切手を触れていません。ところが、マジシャンは3人が覚えたカードを次々と当てていきます。ふたつ目は「リング4本の手順③」。前号の続きです。4本繋がった状態のリングを一本ずつ軽やかに外していきます。みっつ目は「エースの予言」。よくあるカード当てのようですが、観客が選んだものとは別のカードを示してしまいます。しかし、それは間違いではなく、、、驚きの展開になります。このマジックに必要なカードは第67号に付属しています。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.083
MAGIC
216. リング5本の手順①
217. ジムナスティック・エーセス
付録
* レギュラーリング2本
第75号以来の基本テクニック講座では「ファロー・シャッフル」が取り上げられています。半分に分けたデックを、正確に1枚ずつ交互に噛み合わせるシャッフルです。シャッフルが混ぜる技術ではなくコントロールする技法であることが理解できるテクニックです。作品解説は2つです。ひとつ目は「リング5本の手順①」。これまでの4本の手順から1本増やして、さらに不思議な現象を起こします。観客が自分の手で外したり繋げたりする体験をしてもらえる手順です。ふたつ目は「ジムナスティック・エーセス」。基本テクニック講座で身につけたファロー・シャッフルを活用した作品です。ファロー・シャッフルで噛み合わせたデックを軽く振るたびに、体操選手のように4枚のAが1枚ずつ飛び出します。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.084
MAGIC
218. ダンシングケーン
219. リング5本の手順②
付録
* ダンシングケーン
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「ダンシングケーン」。ステージマジックでお馴染みのダンシングケーンです。老若男女問わずどころか、言葉さえ通じない大勢の前でも演じることができますので、こういうパフォーマンスを身につけておくのも重宝するかもしれません。正直なところ、この演技を見て原理がわからない人は少ないと思います。それでも演技として成立するのは、それだけ幻想的な世界を生み出すことで世界に入り込めるからでしょう。逆に相手が原理に気付いていないなどと勘違いした演技をするとしらけること請け合いです。ふたつ目は「リング5本の手順②」。5本の手順の完結編です。メイガス氏のオリジナルの技術も解説されています。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.085
MAGIC
220. ピークワレット
221. インターレースト・バニッシュ
222. リングとロープ
付録
* ピークワレット
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は3つです。ひとつ目は「 ピークワレット」。道具の名前がそのままタイトルになっています。メモ用紙や名刺に観客に数字や文字・記号などを書いてもらい、それが見えないように財布にしまって、さらに財布を上着の内ポケットにしまいます。そんな状態からメモ用紙に書かれた内容を相手の表情から読み取ります。こんなメンタルマジックが実演できるのがこの道具の威力です。ふたつ目は「インターレースト・バニッシュ」。4枚のKに3枚のAを挟み、残りの1枚のエースは観客の手で押さえておいてもらいます。マジシャンが持っている4枚のKの間のエース3枚も、観客の手の下のAも一瞬で消えてしまいます。みっつ目は「リングとロープ」。ロープの結び目に向かってリングを投げつけると、結び目に繋がってリングがぶら下がります。その後、ロープを縦に持つと、結び目につながったリングはスルスルと上に上がっていき、ロープの端までたどり着くとスルッと外れてしまいます。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.086
MAGIC
223. マリカワレット
224. ワイングラスの出現
225. ダンバリー・デルージョン
付録
* マリカワレット
基本テクニック講座では「セカンド・ディール」が取り上げられます。できるようになればかなり自信がつく技法です。作品解説は3つです。ひとつ目は「マリカワレット」。前号のピークワレットと金剛に付属されているマリカワレットを組み合わせて使います。観客にサインしてもらったカードが、財布の中のさらに小さな財布の中から出てくるという、あり得ない現象が実現できます。ふたつ目は「ワイングラスの出現」。裏表を確認したハンカチを手の上に叩きつけた次の瞬間、ハンカチがふわっと浮き上がり、ハンカチを退けるとグラスが現れます。みっつ目は「ダンバリー・デルージョン」。サッカー・トリックの代名詞的作品を、野島伸幸氏により実演・解説されています。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.087
MAGIC
226. 3カード・モンテ
227. シガレット・マニピュレーション②
付録
* 白シルク
* トランプ(Bicycle)
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「3カード・モンテ」。ギャンブリング・デモンストレーションの代表的作品で、熟練した雰囲気を醸し出せると非常に効果的な作品です。あまり初心者が演じるものではない気がします。ふたつ目は「シガレット・マニピュレーション②」。第75号に続く2回目です。タバコを次々に出現させるだけではなく、派手な変化現象も取り入れたメイガス氏オリジナルの作品です。
7号ぶりの HISTORY OF MAGIC では「大魔術時代の夜明け」と題して「プロテウス・キャビネット」や「もの言う生首」などの当時話題をさらった演技についてまとめられたり、その舞台となったエジプシャンホールについての話題、当時活躍したダベンポート兄弟、ジョン・ネヴィル・マスケリン、デビッド・デバントなどのマジシャン が取り上げられています。WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.088
MAGIC
228. シルク・ブレンド
229. 角砂糖の印
付録
* シルク・ブレンド
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「シルク・ブレンド」。1枚の白いシルクから黄・赤・青のシルクが次々と出現する。それをひとまとめにしておまじないをかけると、一枚の大きなカラフルなシルクになってしまいます。ふたつ目は「角砂糖の印」。観客に角砂糖にペンで印をつけてもらいます。その角砂糖を、お湯を入れたカップの中に沈めて溶かしてしまいます。その後、カップの上にソーサーを乗せて待つと、図形だけがソーサーの内側に転写されてしまいます。
HISTORY OF MAGIC では「大魔術時代のカンブリア爆発」と題して、エジプシャンホール等で活躍するマジシャンが次々と現れた時代を取り上げています。ビュアティエ・ド・コルタ、ロベール・ウーダン、アレクサンダー・ハーマン、ジョン・ネヴィル・マスケリン、ネヴィル・マスケリン、ハリー・ケラー、ハワード・サーストン、セルヴェ・ルロワ、など、多くのマジシャンが登場します。WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.089
MAGIC
230. 魔法のメッセンジャー
231. 37
232. 1089
付録
* 魔法のメッセンジャー
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は3つです。ひとつ目は「魔法のメッセンジャー」。1枚のコインにハンカチを被せて消して見せる作品がありますが、そのコインを掌では隠しきれない程のサイズの人形に変えたようなものです。ハンカチを被せた人形がどこかに旅立っていくというストーリー仕立てで、演者と人形の掛け合いを楽しむような作品です。現在では実演を見る機会のないほど古いですが、カードやコインなどのお馴染みのアイテムから少し離れることで、大きく印象を変えられるメリットがあります。ふたつ目は「37」。相手が心に思った2桁の数字を当てるマジックです。心理的な誘導で37と答えるように誘導するのが主なポイントですが、100% うまくいく保証はないので演じるのは難しいでしょう。みっつ目は「1089」。観客が心に思い浮かべた数字に色々と操作を加えて、4桁の数字を作りますが、その数値はマジシャンが事前に予言した数字と一致しているというマジックです。ふたつ目の「37」に失敗したときには、そのまま「1089」の演技に移れるのが良いところです。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.090
MAGIC
233. ファイアー・トラップ
234. 指輪の飛行
付録
* コインローダー
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「ファイアー・フラップ」。観客に借りた100円玉に印をつけてもらい、紙に包んで火をつけると消えてなくなります。消えた100円玉は、ブックマッチを破るとその中から出てきます。ふたつ目は「指輪の飛行」。中指にはめた指輪が手を振った瞬間に人差し指に移動します。もう一度振ると戻ります。一度マスターすれば、いつでも即席にできる便利な作品です。
HISTORY OF MAGIC では「ハリー・フーディーニ」が取り上げられています。19世紀から20世紀にかけて活躍した脱出王「フーディーニ」です。映画やドラマを見ていて「マジシャンのような〜」という字幕がついている時に、セリフをよく聞くと「Like Houdini」と言っていることがあります。マジックと言えばフーディーニという印象が定着している証です。本名はエーリッヒ・ワイスですが、当時活躍していたハリー・ケラーや、憧れていたロベール・ウーダン(Houdin)から名前を拝借して、Harry Houdini を名乗るようになる頃から、類稀なショーマンシップを発揮し、数々の伝説的な脱出芸を生み出した絶頂期、そしてスピリチュアリズムに傾倒していった晩年までがドラマチックに解説されています。
WELCOME TO MAGIC WORLD では、髭のマジシャン「JONIO」が取り上げられています。個性的な風貌を生かして、誰もやらない演技を見せてくれます。コメディー要素を入れて楽しませてくれますが、決して騒がしくなく、大人な雰囲気のまま楽しませてくれる、あまり日本にはいないタイプのマジシャンだと思います。まだ若いのでこれからも長く楽しませてくれることでしょう。Foll Us に出演した時の様子は Youtube でも見られます。
レビュー
なし