泡坂妻夫 〜からくりを愛した男〜
泡坂妻夫氏を偲んで組まれた特集号です。「幻影城」に掲載された赤川次郎・栗本薫・泡坂妻夫の3氏の対談や、泡坂妻夫氏を偲んで10人以上から寄稿されたエッセイの数々に加えて、単行本未収録作品も数作掲載されているという、泡坂ファン必読の一冊です。高校三年生の時に生徒会の雑誌「九段」に掲載された「東洲斎写楽」も掲載されており、その卓越した考察には驚かされます。
高校生とは思えないしっかりした文章で大人顔負けですが、氏独特の洒脱な雰囲気はまだ感じらない貴重な文章です。寄せられたエッセイの数々はどれも、氏の作品を讃えるというよりは、氏自身への愛情があふれたような素敵なものばかりでした。「からくりを愛した男」は、「誰からも愛される男」でもあったのです。
エッセイや対談の終わりに添えられているイラストは、マジック雑誌「奇術研究」からのもので、シュールでユーモア溢れる作品が泡坂氏の人柄を感じさせます。
レビュー
なし