garamanのマジック研究室

スタンドアップ・カードマジック

著者によると「カードカレッジ第6巻」と呼ぶかどうかを迷ったようですが、最終的に「STAND UP CARD MAGIC」として発行されることになりました。タイトルの通り、立って演じるカードマジックに焦点を当てた一冊です。テーブルで演じるようになったのは比較的新しい文化ですので、古いカードマジックの解説本では立って演じる作品ばかりが並んでいます。現代になるにつれてほぼテーブル上で演じる作品ばかりが発表されており、時に思い出したように立って演じる作品が取り上げられる程度、というのが実情です。しかし、立って演じる機会が無くなったわけではありません。立って演じるべき人数を相手に、テーブル上でこぢんまりと演じてしまうのは、ちょっともったいないものです。この本は、古き良き時代を思い出すためではなく、今の時代のスタンドアップ・マジックを再構成した内容になっていますので、是非レパートリーに加えることをお勧めします。

個人的な見解ですが、クロースアップ・カードマジックは子供でも演じられるものの、スタンドアップ・カードマジックとなると、大人同士の会話が必要な印象があります。大人なマジシャンとしてもぜひ身に付けたいところです。

本の構成は、哲学的な分析が40ページ程、スタンドアップで使える技法が60ページ程、そして11の作品が150ページ程のボリュームで解説されています。

Roberto Giobbi
星野 秦佑(訳)
リアライズ・ユア・マジック

レビュー

Card in Lemon