garamanのマジック研究室

THE EXPERT AT THE CARD TABLE

名著である以前に、とんでもない奇書です。著者の S.W.Erdnase はプロのイカサマ師です。そんな著者がカードを使ったイカサマの技法を惜しげもなく晒してしまいます。1902年にこの本が出版された時、マジック界には計り知れない衝撃が走ったそうですが、イカサマで生計を立てていた人達の衝撃に比べれば、大した事はないのかもしれません。この本は、相手を騙す為のアドバイスが所々に差し込まれていると同時に、相手を楽しませるマジックも紹介しているという奇妙な構成です。一体読者に対する目的は何なのでしょう?「優秀なイカサマ師を養成する」「マジックに親しんでもらう」そのどちらでもあり、どちらでもないような。。。プロのギャンブラーでありアマチュアマジシャンでもある、彼ならではの奇行だったのかもしれません。また、プロのギャンブラーであると言う事以外に何も判らなかった彼の正体が、出版後90年近く経過した頃にようやく突き止められたのですが、そこでさらに驚きの事実が発覚します。とてもここでは書けませんが、決して尊敬に値する人物ではなかったようです。しかし、彼の人物像はさておいて、本の内容は素晴らしいの一言です。今でこそメジャーになっている感のある様々な技法の本質に出会えると言っても過言ではありません。形だけでできたつもりになっている多くのアマチュアマジシャンにとって、Erdnaseの言葉には真摯に受け止めるべき事がたくさんあります。日本語版は[プロがあかす カードマジック・テクニック]。

S.W.Erdnase
Dover Publications

レビュー

なし