アクトの作り方
トミー・ワンダーからトム・ストーンに贈られた小さな冊子「Building An Act」。どうやら世に出なかったらしいこの冊子には、ひとつのショーを作り上げるまでの心構えや実践的なアドバイスが、トミー・ワンダーの言葉で綴られています。20ページ弱ですが示唆に富む内容です。世に出すべきだと考えたトム・ストーンは、自身が雑誌「Genii」に連載していた「ショーの作り方」を添えて発行することに決めたそうです(こちらの方が45ページ程のボリュームです)。合わせても65ページ程の内容ですが、パフォーマーとしてショーをつくる人にとっては、有益なアドバイスが満載です。ありきたりな精神論ではなく、実績に裏打ちされた経験則が豊富で、個性的でありながら説得力を生み出しています。
トム・ストーンが語る「脚本を書くことの大切さ」「ドラマの重要性」「舞台美術に関すること」「アクトの磨き方」「宣伝方法」「他のパフォーマーとのパートナーシップ」など、魅せるためのアドバイスはとても有用です。それを活かすには、自分でアクトを生み出すことが重要です。そんなアクトの作り方をトミー・ワンダーが語っているのです。「あるべきマインドセット」「演技論」「演技の構造に関すること」等々、こちらにも彼独特の視点で有益なアドバイスが満載です。さらに、それらのアクトを生み出すためには、強い情熱を持ったアクターが必要です。それが、この本を手に取るあなたなのかもしれません。
レビュー
なし