THE OFFICIAL C.I.A. MANUAL OF TRICKERY AND DECEPTION
C.I.A で進められていた極秘洗脳実験である MKULTRA (MK ウルトラ作戦) は、1973 年に当時の CIA 長官によって資料の破棄が命じられて、その幕を閉じました。しかしその後、破棄されずに残ってしまった数枚の文書が見つかり、1975 年にアメリカ連邦議会で公開されたという経緯があります。この本では、その MKULTRA の結成に迫るストーリーが紹介されていますが、それだけなら私のサイトで紹介はしません。実は、破棄されたはずの資料の中には、敵の目を欺くための数々の手法が書かれた極秘マニュアルが含まれており、そこにマジックのテクニックが散見されるのです。それもそのはず、このマニュアルを書いたのが、あのジョン・マルホランド氏なのです。
今では古臭く感じられるものもたくさんありますし、マジックに精通していない人がイラストだけ見ると「これは無理でしょ」と思えるものもあります。でもマジシャンなら分かるはずです、実際に使えるテクニックだという事が。マジックの知識がこういった活動に使われてしまう事への憤りを覚えつつも、歴史を振り返れば、ギャンブラーのあくどいテクニックや霊媒たちのイカサマ手法を、マジックに取り入れてきた背景もあります。テクニックそのものに善悪はありません。その強力なツールを、誰が何の目的に利用するのかが問われるのです。
レビュー
なし