garamanのマジック研究室

Magician's Theory Book
奇術師の理論

マジック理論の熱心な研究である、大野 真央氏による理論書です。より正確には、スペインに渡ってホワン・タマリッツから直接理論を学んだり、スイスに飛んでロベルト・ジョビーから教えを請うなど、積極的な理論研究の結果を、より体系的に網羅的にまとめあげた一冊です。スペインのマジック理論は、認知心理学的にも重要な示唆に富んだ内容であることが多く、マジシャンの手元で起こる現象というよりは、観客の脳の中にイメージされる現象の方に焦点が当てられているように感じられます。マジックを演じているのはマジシャンですが、それが本当に魔法のように感じられるとしたら、それは観客の頭が作り出していることです。その観客のイマジネーションを邪魔するような雑音は極力排除し、自然に魔法の世界に誘導することこそ、マジシャンの役割なのでしょう。何人ものマジシャンたちが様々な表現で語ってきた理論。それらを体系的にまとめて、日本語で一冊の本の形にまとめあげた功績は、日本のマジック界にとって大きな貢献になるでしょう。

自費出版のため、数に限りがあるのが惜しいところ。

大野 真央
路地裏書房

レビュー

なし