garamanのマジック研究室

シェアリング・シークレッツ

ロベルト・ジョビーによる理論書です。2021年発行の本を、2024年に田代茂氏が日本語翻訳版として出版されました。単に英語の本を翻訳しただけではありません。どちらかというとジョビー氏の考えをそのまま日本語で文章化したような内容です。日本人が日本語で理解できるように至る所に配慮が見られるのは、訳者の田代茂氏の功績です。田代氏と言えば [アスカニオのマジック] 第1巻の翻訳で知られていますが、高度で深い理論が綴られたこの本を理解するにはある程度の基礎知識が必要でした。事前に知っておきたい基礎知識に該当するのが、この「シェアリング・シークレッツ」といった位置づけです。

マジックの世界から認知心理学の世界まで範囲を広げて、様々なセオリーや重要語句を53個選び出し、ジョビー氏の視点を交えてまとめられています。ひとつの語を見開き1ページで解説されているのも特徴的です。左ページでは論理的説明がなされるだけでなく参考文献や提唱者などの情報を添えてあるのがジョビー氏らしいところです。そして右ページにはそれを実践する活用例などが掲載されています。

53個の解説の後には、ジョビー氏が演じる Coins Through The Table の手順が解説されています。その解説の中にたくさんの理論が盛り込まれている様子がわかり、勉強になる内容です。さらにはカードマジックを支える46の原理がまとめられていたり、7ページに及ぶ参考文献リストや4ページにわたる用語集が習得されています。圧巻は20ページに及ぶ注釈ページでしょうか。本文だけでも理解できるように工夫されていますが、より理解を深めたい人にはどこまでもハマれる沼が用意されています。

Roberto Giobbi(著)
田代 茂(訳)
すまいるらいふ株式会社

レビュー

なし