ブラック・ショーマンと覚醒する女たち
「ブラック・ショーマン」シリーズ第２段。元マジシャン神尾武史が経営するバー「トラップ・ハンド」。この店には様々な人生を抱える人が訪れる。あるとき現れた上松和美は夫を亡くし莫大な遺産を相続していた。そんな彼女の前に、絶縁したはずの兄が現れる。兄は、認知症の進む父の世話をするにも金が必要だと言う。絶縁状態でも血のつながりがある以上、せめて金銭的な協力はするべきだろうと妹に言い寄った。距離を保とうとする和美だったが、兄は驚くべきことを言い出す。「あんた、和美じゃないだろ。一体どこの誰なんだ」と。兄妹のどちらが嘘を言っているのか、そしてその背景には何があったのか。ふたりのやりとりを聞いていた武史は、驚くべき結論を導き出す。
前作同様、不動産会社に勤める姪の神尾真世と叔父の神尾武史の掛け合いの元、軽快にストーリーが展開していきます。実は上記のストーリーは６つの短編のうちのひとつ。2人のコンビが次々と訪れる女性客たちの不思議な人生に関わっていく物語です。前半４つは「Ｊミステリ」などで既出の物語で個別に完結しています。そこに２つの書き下ろしの物語を添えたことで、全てが繋がり大きなストーリーになっています。ミステリ要素あり、マジックあり、感動の人情話あり、とエンターテインメント作品に仕上がってます。(なので、ぜひ最後まで読んでください)
さらなる続編に期待。
レビュー
なし