garamanのマジック研究室

ガダラの豚

第47回日本推理作家協会賞を受賞した、中島らも氏の長編小説。著者本人にも制御できない個性的なキャラクターが活躍するエンターテインメント小説。当初、原稿用紙700枚程度のボリュームを見込んでいたにも関わらず、途中でキャラクターが勝手に動き始め、結果的に1400枚の長編になってしまったと言います。

その内容は。

主人公の大生部は文化人類学者。アフリカの呪術に造詣が深く、興味深い研究結果を残すものの、科学絶対主義の連中には認められなかった。そのため、追加の研究費用が捻出できず、止むを得ず面白いキャラクターの教授としてテレビ番組に出演し、そのギャラを研究費用に回そうとしていた。超能力や呪術など神秘的な力を取り上げつつ、その嘘を暴くような低俗な作りの番組ばかりだが、自分の役割を演じる主人公。ある番組で知り合った、マジシャンや超能力者などの共演者達と、この先の長い物語が繰り広げられる。

第1巻では、番組での共演者達と知り合うだけではなく、妻の逸美が新教宗教にのめり込んでしまう。大生部は、番組で共演したマジシャンの協力を得て、妻を宗教から引き離そうと試みる。そのマジシャンは、アメージング・ランディのようにインチキ霊能力者などを糾弾する活動をしており、その新興宗教の教祖が演じた奇跡の謎を暴く。また、最後に重要な役割を果たす謎の僧侶のサイドストーリーも展開する。

第2巻では、そんなキャラクター達がテレビの特番としてアフリカにわたり、呪術師ばかりの村を訪問する。科学的に分析しようとするも、科学が通用しない世界がそこにはあった。強力な力を持つ呪術師が現れ、その村全体を呪っているという。呪いの謎を科学の力で解明したいテレビ関係者達だったが、村の入り口の大きな木の高いところに、牛が突き刺さっている様子を見ては、驚きを禁じえない。この村の住人達がこの牛を見つけた時、木に刺さった牛はまだ生きていたという。重機もない奥地でこんなことができるだろうか。こんな世界を見せつけられては、次々に病に倒れていく住民達を、ただの偶然と片付けるほうが非科学的と言わざるをえない。しかし。この特番はそんな強力な力を持った呪術師にこそインタビューを敢行したい。勢いに任せて呪術師に会いに行ったが、ある事件をきっかけに、全員が呪われてしまう。呪いの力は信じないが、番組の目的を果たした彼らは、日本に帰ろうとしたが、途中、不運な事故が起こり、5人が命を落としてしまった。

第3巻では、日本に帰り着いた特番関係者達に、さらなる悲劇が襲う。そして、強力な力を持ったあの呪術師がなぜか日本に来ているという。ここから先は怒涛の展開。あの呪術師はなぜ日本にいるのか。冒頭の謎の僧侶がどう関わるのか。なぜあの番組に関係した者達が謎の死を遂げるのか。。。

最後の最後まで、先が読めない小説です。

中島 らも
集英社文庫


3分冊です。

レビュー

なし