garamanのマジック研究室

奇術師の密室

リチャード・マシスンの奇術ミステリー作品です。著者の経歴は今更ここに書くまでもないかもしれませんが、軽く触れておきましょう。。。スティーブン・スピルバーグ監督の出世作「激突!」の原作者であり、「ミステリーゾーン」「トワイライトゾーン」「事件記者コルチャック」などのTVシリーズのシナリオ・ライターでもあります(ゴッド・ファーザーPART2には、チラッと出演までしているそうです)。ホラー・SF・ミステリー・ファンタジーなどの幅広い分野をカバーして、多くの作品を世に送り出しています。「地球最後の男」「縮みゆく人間」「ある日どこかで」「地獄の家」などの作品名で著者をご存知の方も多いでしょう。「13のショック」という短編集も人気が高いようです。

物語の舞台は、主人公である老奇術師エミール・デラコートの書斎。かつて「偉大なるデラコード」と呼ばれた彼も、今は脳卒中に倒れ植物状態を強いられている。車椅子から動けない状態である彼が、施設に収容される事もなく自分の書斎で余生を過ごす事ができたのは、親孝行な息子のおかげだった。デラコードの後を継ぎ2代目デラコートとして活躍する息子、マキシリアン・デラコートである。2代目デラコートと野心溢れる妻のカサンドラ、そしてその弟。そこに腹黒いマネージャーも加わり、それぞれの思いを遂げる為に複雑なトリックがぶつかり合う。

一連の事件は全て主人公の書斎の中で進行していき、主人公は動く事もできずに、その一部始終を目の当たりにします。 舞台マジックの基本的な知識があれば、その数々のトリックも臨場感たっぷりに楽しめること請け合いです。

リチャード・マシスン
扶桑社

レビュー

なし