garamanのマジック研究室

魔術師たちと蠱惑のテーブル

ナポレオンズのボナ植木氏の小説です。多才な方で、今までにも色々な本を出版されていますが、小説はこれが初めてとの事です。250ページほどのボリュームで13のストーリーが描かれています。それぞれのショートストーリーが、心温まる作品として完結していながら、13個目のストーリーで全てが繋ぎあわされるという構成の妙。面白いです。表紙にも描かれている「トランプ模様が天板の周りに描かれた丸い小振りのテーブル」が、全てのストーリーに登場します。そのテーブルの謎が13個目のストーリーで明かされるのです。マジシャンを題材にした作品というだけでなく、この小説自体が1つのトリック作品のようです。

登場する人物は全て実在の人物ではありませんが、モデルの人物が誰なのかを想像しながら読むのも楽しいでしょう。また、各ショートストーリーの冒頭には、その作品にあったBGMが紹介されています。曲を流しながら一話読んでみるという楽しみ方も、面白い発想です。

ボナ植木
ランダムハウスジャパン

レビュー

なし