マジシャン
「千里眼」シリーズ、「催眠」シリーズで有名な松岡圭祐氏の心理トリック小説です。2002年に発行されました。「ただ眺めているだけで金が倍になる」と、参考人が口を揃えて証言する。そんな奇妙な詐欺事件からストーリーが展開されます。ベテラン刑事にも解けないこの事件を、一人の天才マジシャン少女が解決に導きます。「マジシャンVS詐欺師」の頭脳戦が繰り広げられるなか、事態はさらに思いもよらない展開へ。。。
2003年に文庫版も出ました。これに伴い、加筆修正が施されています。他の作品でも行われる読者サービスですが、この作品でもマジシャン・里見沙希の人となりをより深く表現するために、工夫が施されています。
その後、2008年に角川文庫より<完全版>が出ています。こちらでは、表現をより洗練させてすっきりとさせた上に、後半は全く違う方向に話が流れていきます。犯人すら違うのですから、これはもう別の物語です。
2018年に角川文庫より<最終版>が出ました。10年ぶりの改訂ですが、時代背景を現代に合わせてありますので、細かなシーンに古めかしい違和感を感じることはないでしょう。10年の時を経て、さらに洗練されたマジシャン・ワールドが繰り広げられます。また、同時刊行された「イリュージョン:マジシャン第Ⅱ幕 (最終版)」がより自然に続編として愉しめるようになっています。
電子書籍版もあります。
レビュー
なし