garamanのマジック研究室

彩紋家事件

昭和50年代前半、島根の名家、彩紋家に次々と不幸が起こる。殺人か事故死か自殺か自然死か、それさえ判然としない不幸な出来事により、彩紋家の縁者が1人ずつ命を落としていく。しかも、なぜか毎月19日に。そんな不可解な謎の解明を依頼されたのは、日本探偵倶楽部の鴉城蒼司(あじろそうじ)。鴉城に恩のある後輩探偵の螽斯太郎(きりぎりすたろう)を従えて、鴉城はこの奇怪な事件の謎に挑む。奇術サーカスに出演している彩紋家の面々は次の犠牲者になる可能性に怯えながら毎月19日を迎える。全員が緊張を強いられ、事情を知っている者たちの注目が集まる中、犯人は奇術サーカスの演目を連想させるような演出を施しながら、確実に事件を起こしていく。そして被害者の数は19人に達する。

小説(流水氏はご自身の作品を”大説”と称しているそうです)についての感想を書くと辛辣な言葉しか浮かびませんので止めておきます。熱烈に支持されている方もいらっしゃるようですので、全くついていけない私の方が愚鈍なのだと割り切って。。。マジックの観点からこの本について紹介しますと、えー、やはり辛辣な言葉しか浮かびません。自慢気に見せびらかしてくるマジックを延々見せつけられるような息苦しさを感じますし、わからない人を馬鹿にしているような雰囲気が見え隠れしている文章が、、、これ以上は止めておきましょう。良いところもあります。登場人物の鴉城蒼司に言わせている言葉ですが、サーストンの三原則に準えて、鴉城蒼司の三原則というものが書かれています。

  1. 自分が奇術師であることを誇らない
  2. 他の奇術師への尊敬の念を忘れない
  3. 奇術師でない者にはタネを教えない

素晴らしい3原則だと思いました。この3原則、ぜひ著者にも実践していただきたいです。

3分冊です。

清涼院 流水
講談社文庫

レビュー

なし