奇術入門シリーズ ステージマジック
1977年に日本文芸社から発行された「ステージ奇術入門」を著者ご自身が訂正・加筆した本で、1993に発行されました。イリュージョンまでは行かない、サロンマジックに近いステージマジックが対象です。ステージマジックを扱いつつも、道楽や趣味で演じる人を対象にした本であると前書きには書かれています。ところが「ステージマジックを始める人のために」という11ページからなる第1章では、奇術師とは何かといったことから始まり、ミスディレクションの重要性を説き、演技のリズムのとり方や言葉のアクセントに至るまで、細やかな心構えを語っています。道楽や趣味とはいえ、本気で取り組んでほしいという熱意が込められています。内容としてはリンキングフープやミリオンフラワーなどおなじみのものばかりですが、これらをきちんと解説しているのは、意外と珍しいのかもしれません。ダンシングケーンやマイザーズドリームなども解説されています。あとがきには、プロを目指す人のためのアドバイスが書かれていますが、その8箇条の筆頭に「まず素質があること」と書かれています。当時この本を読んだ人の中には、このフレーズが記憶に残った人も多いことでしょう。
レビュー
なし