ザ・マジック 091号〜100号
デアゴスティーニから刊行された、隔週刊「ザ・マジック」。マガジンとDVDのセットで解説をするというスタイルは、マジックのレクチャーにはちょうど良いのかもしれません。監修はメイガス氏。現代のターベル・システムとなり得るか。
隔週刊 ザ・マジック シリーズ紹介
No.091
MAGIC
235. アドアナンバー
236. 電卓を使ったトリック①
237. 電卓を使ったトリック②
付録
* アドアナンバー・ノート
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は3つです。ひとつ目は「アドアナンバー」。3人の観客がそれぞれ好きな5桁の数字を考え、それをノートに記述します。マジシャンはその3つの合計をずばりと言い当てるのですが、その当て方がびっくりです。書きませんけど。。。ふたつ目は「電卓を使ったトリック①」。電卓に表示させた数字を摘んで捨てる、画面には残った数字が表示されている。そんな現象です。iPhone ならではのトリックです。みっつ目は「電卓を使ったトリック②」。3人の観客がそれぞれ自由に組み合わせた5桁の数字を、電卓を使って合計してもらいます。その結果が1万円札のシリアルナンバーとピタリと一致する。そんなインパクト抜群の作品です。
HISTORY OF MAGIC では「映画とマジック」と題して、映画技術が開発された頃の様子が取り上げられています。当時は現在の映画のような使われ方は具体的にイメージされていませんでした。なんとか面白い活用方法がないかと真っ先にくいついたのがマジシャンでした。映画史の早い段階でトリック撮影が大きな役割を果たしたのは意外に感じる人もいるかもしれません。興味深いストーリーです。また映画が普及することで困ったのはステージでイリュージョンを行っていたマジシャンです。よりインパクトのある映像が見られる時代になるとマジシャンの振る舞いも大きく変わってきます。そのあたりのストーリーも描かれています。WELCOME TO MAGIC WORLD では「ポンタ the スミス」が取り上げられています。この名前を聞いたことがない人にとっては、ウケ狙いのちょっとしたマジックを見せそうな印象ですが、コインマジックの世界ではトップクラスの存在です。また、そのポンタ the スミスとアルス、ベン・ダガスの3人で設立した「インポッシブルカンパニー」も紹介されています。日本と世界のマジックの橋渡しをするべく設立された、有難い存在です。
No.092
MAGIC
238. シンフォニー・オブ・ザ・リング①
239. カード・アクロス
付録
* トリプルリング
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「シンフォニー・オブ・ザ・リング①」。これまでに83号・84号で解説されたリング5本を使った手順に対して、さらに1本加えた6本の手順です。これはダイ・バーノンの傑作手順で、第92号では前半部分のみの解説です。第93号・第94号と全3回に分けて解説される長い手順ですが、傑作中の傑作ですので挑戦する価値は高いです。ふたつ目は「カード・アクロス」。マジシャンの左右にひとりずつの観客に立ってもらい、それぞれ10枚のカードを持ってもらいます。一方の観客から他方の観客へカードを飛ばす演技を何度かすると、その回数分だけカードが移動します。観客が持っているカードの枚数が実際に増減するため、非常にインパクトの強い作品です。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.093
MAGIC
240. オムニ・デック
241. シンフォニー・オブ・ザ・リング②
付録
* オムニ・デック
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「オムニ・デック」。アンビシャス・カードのクライマックスとして、非常にインパクトのある作品。特殊なアイテムが必要ですが、それは付属しています。今号はほぼこのアイテムの価格と言っても良いくらいのものが付属しています。ふたつ目は「シンフォニー・オブ・ザ・リング②」。前号の続きで、バーノンのクラシックなリングの手順の続きです。6本のリングを駆使して、地球、花、ブランコなど色々な形の見立てが続きます。手順全体に華やかさを添える部分です。次号のクライマックスへ向けて大事な部分です。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.094
MAGIC
242. ゾンビ・ボール 前半
243. シンフォニー・オブ・ザ・リング③
付録
* ゾンビ・ボール(ボールとスタンド)
今号では、久しぶりの基本テクニック講座で「ワンハンド・シャッフル」が取り上げられています。慣れない人には両手でのシャッフルでも華やかにテクニカルに見えるものですが、それを片手でやろうというのですから、インパクトは抜群です。難易度も高いですが練習しがいのあるテクニックです。作品解説は2つです。ひとつ目は「ゾンビ・ボール 前半」。付属されている手のひら大の銀色のボールが、自分の意思を持っているかのように空中を動き回るという現象を起こせます。原理はシンプルで誰もが想像できるものですが、技術を磨けば生きているように見せることも可能になります。後半はなぜか1号飛ばして96号になるそうです。ふたつ目は「シンフォニー・オブ・ザ・リング③」。これまでの手順に続けて演じます。今回も見立てがあり、MAGUS 氏のオリジナルの方法で「オリンピックの五輪マーク」が作られます。最後には一瞬で6つのリングが一直線につながります。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.095
MAGIC
244. リング9本の手順①
245. 椅子を使ったエスケープ
246. メビウスの輪
付録
* クローズドキー & 専用袋
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は3つです。ひとつ目は「リング9本の手順①」。今まで、77号・80号・83号・92号に付属されていたリングと、今回付録についているクローズドキーを含めて、9本のリングを使った長いルーティーンが解説されます。全5回にわたって解説されるようで、その1段階目の手順が解説されています。ふたつ目は「椅子を使ったエスケープ」。椅子に座ったマジシャンの両手両足をロープで縛ってもらい、ハンカチで結び目を隠します。そこから3秒で脱出すると言って3本の指を立てて示す(つまり既に脱出できている)という必ず受けると言っても過言ではないジョークトリックです。みっつ目は「メビウスの輪」。マジックというよりパズル的な要素の強いものですが、実際に自分でやってみても不思議に感じる傑作です。
HISTORY OF MAGIC はお休みです。WELCOME TO MAGIC WORLD では、芸術的なまでに磨き上げられたテクニックでカードを操る、Ars(アルス)氏が取り上げられています。インポッシブルカンパニーの設立メンバーの一人です。演技の様子はとにかく鮮やかです。魅せるテクニックのひとつの完成形と言えるでしょう。
No.096
MAGIC
247. ゾンビ・ボール 後半
248. スプーンのゾンビ
付録
* ゾンビ・ボール用アーム & 布
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「ゾンビ・ボール 後半」。両手に持って広げたハンカチの端からぴょこんとボールが顔を出すという、いわゆるゾンビ・ボールの演技を本格的に学べます。ふたつ目は「スプーンのゾンビ」。数本のスプーンとフォークをテーブルに置きます。その上に布をかぶせると、布の下のスプーンとフォークが布を持ち上げてふわふわと動き出します。簡単でありながら効果的な作品です。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.097
MAGIC
249. マガジンテスト②
250. リング9本の手順②
付録
* マガジンテスト用ボールペン
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「マガジンテスト②」。第50号で解説された「マガジンテスト」がバージョンアップしました。付録のギミックを使うことで、観客があり得ない体験をすることになります。ふたつ目は「リング9本の手順②」。第95号に続く本格的なルーティーンの2段目です。繋がっていることを確認した2本のリングを、観客の手に持ってもらった状態で外すなど、観客の興味を引きつける演出が含まれています。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。代わりに30分の STAGE MAGIC SHOW が収録されています。今回のマジックショーは第15号に続く2度目のステージマジックです。シルク・ロープ・リングなどバラエティーに富む素材で彩りのあるステージが演じられます。
No.098
MAGIC
251. リンキング・フィンガー・リング
252. リング9本の手順③
付録
* ヒンバー・リング
今号の基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「リンキング・フィンガー・リング」。3人の観客から指輪を借りますが、それがマジシャンのての中で全てつながってしまいます。観客自身につながっている状況を間近に見てもらうので、より一層の不思議が広がる名作です。必要なギミックが付属しています。ふたつ目は「リング9本の手順③」。第97号に続いてリング6本を使って「ブランコ」「花」「地球」など見立ての世界を作り上げていきます。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.099
MAGIC
253. 読心術
254. 心理学的不可能
255. リング9本の手順④
付録
* サムライター
今号の基本テクニック講座はお休みです。その分、作品解説は3つです。ひとつ目は「読心術」。観客が心に思い浮かべた2桁の数字を読み取りメモ用紙に書き込みます。観客に思い浮かべた数字を聞くと、メモ用紙に書いた数字と一致しています。付属のサムライターを使って簡単に実演できます。ふたつ目は「心理学的不可能」。1人の観客に1枚のカードを選んで覚えてもらいます。残りのデックからもう1人の観客にもカードを選んでもらいますが、そのカードはマジシャンが内ポケットにしまっておきます。1人目の観客が選んだカードを確認するといつの間にか違うカードに変わっており、マジシャンの内ポケットに入っている2人目のカードを取り出すと、なぜか1人目のカードになっています。みっつ目は「リング9本の手順④」。前号で6本のリングで見立ての世界で魅せましたが、今号ではさらに2本追加して8本での「十字架」、さらに1本加えて9本での「ランタン」などが作られます。
HISTORY OF MAGIC と WELCOME TO MAGIC WORLD はお休みです。
No.100
MAGIC
256. ゴールド・メダリオン
257. リング9本の手順⑤
付録
* ゴールド・メダリオン
シリーズ最終号。基本テクニック講座はお休みです。作品解説は2つです。ひとつ目は「ゴールド・メダリオン」。宝石が埋め込まれたり複雑な記号や数字が彫刻された重厚なメダルを使用します。3人の観客に自由に選んでもらった3つの数字。もう一人の観客がメダルの裏面の数字を読み上げると見事に一致します。アル・コーラン考案の秀作です。ふたつ目は「リング9本の手順⑤」。前号で「ランタン」に見立てた9本のリングが一瞬で1本のリングに8本のリングがぶら下がった状態になります。そこから1本ずつ外して見せることで、今まで見せてきた9本のリングがクリーンなものであるということを証明して見せるという締めくくりです。
HISTORY OF MAGIC では「テレビからインターネットの時代へ」と題して、第91号で取り上げた映画が普及しはじめた頃から、テレビを経てインターネットの時代になった現在への流れを俯瞰します。WELCOME TO MAGIC WORLD では緒川集人氏が取り上げられています。言わずと知れた日本人最高峰のマジシャンのひとりです。マジックキャッスルを運営している Academy of Magical Arts の理事を務め、数々のタイトルを取って既に殿堂入りしている緒川氏ですが、2022年のFISMでは「コロナ禍でつらい思いをしているマジシャンを元気付けるため」という思いを胸に、予選会から参加し大会を盛りあげました。予選会から参加してアメリカ代表を勝ち取り、本戦でも世界最高峰で1位を勝ち取るという快挙を果たしたことは、歴史に残ることでしょう。また、そんな緒川氏が代表理事を務めるM.A.T(マジック・アカデミー・オブ・東京)も取り上げられています。
レビュー
なし